例の、丸い構造物 1

誰の心の中にもある構造物と言ったら、それは国会議事堂でも金閣寺でもなく、「すごく大きい丸いヤツ」ではないだろうか。
あの、クリームもしくは淡い若草色をした、ビルにも匹敵する大きさのあれ。天然ガスを蓄えるタンクだろうか。
誰しも「あれの土台とか出っ張りを外したら、転がるのだろうか」という疑問を持ったもしくは持っているにちがいない。
さて、そのアレであるが、とにかく怪獣に壊されそうな建造物でもある。
思うに、怪獣もアレが転がるのか、疑問に感じているのではないだろうか。
そして手を出し、あわれ粉々に壊れ破裂していくアレを眺める怪獣の目は、どこか悲しげだ。
「あ、転がらないんだ…。」
しかし、僕はここで恐るべき事実に気付く。
つづく。

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