えびにギプス

えびは、外敵から逃げおおせるために、その尻尾(腹?)を増強し、びょーんと後方へ移動する手段を得た。
しかし人間にとっては、その増強部分がおいしい。
今紀、えびはかつてないジレンマの真っ只中なのである。
「人間は道具とか使って、僕らを一網打尽にするからな・・・」
えびが次にびょーん機能を失うことを進化の道として選ぶなら。
ちょっとした問題となるだろう。
漁師がわが目を疑う。
「か、母ちゃん、これ見ろよ!!。え、えびの尻尾が・・・。」
たこはわが触手を疑う。
「お、お前、どうしたんたこ、その尻尾・・・。」
彼らは、えびの価値であった尻尾が見るも無残な状態になってしまったため、驚き、困惑したのだろうか。
僕は違うと思う。
えび本来のアグレッシブさは、全てあの尻尾に集束しているのである。
はじけてないえびは、悲しすぎるのだ。
屈強な大男が皿を前に右往左往してこそ、えび。
おがくずをはねのけて暴れるこそ、えび。
だから、だらりとした尾を引きずるえびに、漁師ら、たこらは涙する。
しかし、この悲しみはえびにとどまらない。
かには、外敵と戦うもしくは防衛のために、その腕を

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です