味覚というものが「あるものを食するとき、その栄養価や危険性を判別する機能である」と言えるなら、駄菓子屋で蛍光色のすもも漬けを飲むほっぺうずまきの子供たちは「味覚ヒエラルキー」のかなり上に位置する生物であると言えよう。
一般的に「腐ったもの」は酸味を帯びることが多い。
腐っている可能性のあるものを100%安心し、楽しむことができようとは。
専属のシェフと毒見係を従えた英帝(勝手に造語)である。
同時に、ビアガーデンでビールをたしなむネクタイはちまきの赤ら顔たちも、上位だ。
あの発泡による刺激で、人間の脳内はどこかで「コレはやばい。すごく刺激が来ている。ノムナ!!。」信号を発しているだろう。
しかし、その信号を抑制し、むしろ楽しむことができるほどの絶対的安心感がそこにはある。
その安心感は元来「ほっといたのを飲んでみたんだ。すっぱいけどおいしかったよ。死ななかったし。」みたいなヤツがいてこその賜物だったはずだが、今ではその役目は主に商品名や詳細な表記に代替されている。
「すし酢」と書いてあれば、それを舐めてみてすっぱくても腐っていることを危惧したりしないのだ。
※ちなみに、もし「すし酢」と書いてあって、それがサラダ油だったら、頭はすし酢フラグが立っているため、うわーってなる。
また、基本的にサラダ油だけを舐めたら、うわーってなる。
「すもも漬け」と書かれているから、やたら甘酸っぱくても「何かへんなことになってる」とは思わないし、「ビール」と書かれているから、「誰かが毒盛った」とは思わないのだ。
だからパッケージに「すもも漬け?」と書かれていたら、会社のお客様窓口は、色々と2割増しになる。
「ビールー」と書かれていたら、「なんか、しゅわしゅわするんですけど!!」という電話が2件くらい来る。
そして多くのメディア(VOWなど)で取り上げられる。
結論
すもも漬けって食べたことないんですが、あの汁、飲むものなの?。