トートバッグを買う。
気にいった大きさのものだったが、残念な事に「くち」にジッパーがない。
だだ開きである。
こういうかばんを持って店に入ると、店員さんは気が気でないのではないだろうか。
例えば商品と人体の間には、服があり、皮膚があり、筋肉がある。
よって店員さんは、お客さんが胃の横あたりに商品を忍ばせて盗みをはたらく、といったことは考えずに済む。
しかし、商品とだだ開きかばんの間には、何があるだろう。
おもいっきり開放系である。
お金の投入口が、手首が入るくらい大きく開いた貯金箱くらいの開放系であり、門限17時をいやいや守り続けてきた女性が、通学のための1人暮らしをはじめたときくらいの開放感である。
お客さんは、その気になれば店員さんに気付かれることなく、すばやく商品をかばんに入れることができる。
もし気付かれたとしても、店員さんは人のかばんをのぞくという、ある責任が生じる行動を起こす必要がある。
よほど自信がないと、難しいだろう。
また、そのお客さんが生粋の嫌われ顔だったりすると、知らないうちに他のお客さんから勝手にかばんに商品を入れられてしまうかもしれないし、下手すると商品が自らかばんにダイブする可能性だってあるわけだ。
どれも、料金を徴収できないまま、商品を持ってかれてしまう可能性があるものばかり。
要は、だだ開きのかばんを持ったやつは店に被害を与えるお客さん、いや客である可能性がジッパーかばんお客さんよりも、少し高い。
それを店員さんは知っているのである。
よって、だだ開きかばんの客はロックオンされる。
僕もそのような扱いをこれから受けるはずだ。
そこで、ロックオンをはずすことを少し考えてみたら、以下のものが挙がった。
1.だだ開きかばんを、既にパンパンにしておく。プラス長ネギ出が最良。
2.プレイボーイ袋とじスクラップなど、よりロックオンされやすいものを出入り口等に仕込む。
3.絶えず店員さんの目の届くところにいる(いつかはずれる)
本日の本屋で3を採用。
本棚の半分も、見て回ることができない。