ネットにおける「検索」というものは、それはそれはすごいちからを持っている。
文字をちょろりと入力すれば、それに関わるあらゆる情報が無尽蔵に手に入ってしまう。
「google」の「oo・・・」に、私たちは幾多の夢を見ることができるのだ。
でも残念なことに、それで手に入る情報は、たいてい一方通行で、やや広域な情報が多い傾向にある。
例えば「お腹すいた」と入力してみると、試せばいいのに試さないが、おそらくどこそこのおいしいレストランや家庭料理のレシピ、そのような方向性のブログなどが見つかるのではないか。
だが「お腹すいた」と入力した本人が本当に欲している情報は「キッチンの戸棚の奥に、カステラがあるよ。」という、かなりローカルなものであるに違いない。
家の庭で父親が「おーい、ビニールテープ持ってきてくれ。」と依頼するシーンにおいて、私たちはよくそれをパソコンで検索してしまうという過ちを犯す。
ホビーショップや日常雑貨店のホームページを前に、私たちはやっと思い出す。
「ビニールテープは、居間の炊飯器が置いてある棚の引き出しの2番目に、何かよく分からない電気コードとともに置いてある、ということをネットは教えてくれない。」
だからといって検索エンジンのやつめ、というのは論外だ。
検索エンジンは言うだろう。
「そういうのは、おまえらでやっといてよ。」
また、検索で「お前のうちのぞうきんは、洗面台の下に、ゆたんぽとともにある」とかいう詳細な事実が見つけられてしまうと、それはそれでビビってしまう。
そういう点でも、ネット上にやたらローカルな情報を求めるのは、おかしいことなのだ。
そういうことで、戸棚にしまったカステラは、みんな忘れないように。
ちなみに、具体例をやたら生活感あふれるものにした理由は、もちろん検索でこのブログにたどり着いたものの幾人かをビビらすためであるが、まぁこの一文は、いらないね。