九十九の憂鬱

「物には魂が宿っている」という考え方が日本にはあるようです。
外国にもある、かどうかは知らないけど、なんだか面白い考え方。
特に年月を経た道具などには九十九神(つくもがみ)とかいう魂みたいなもんが付くと言われています。
「魂が宿る」というこの話は、物を大切にするとかいう話においては、いい例えとして使えそう。
けど、道具なら何だって!!、というのも考えものではないでしょうか。
例えば、古時計に魂が宿ってしまったら、どうなるでしょう。
おそらく宿ってから数分もたたないうちに「あれ、俺の一秒、ずれてるんじゃね?。」的な考えを持ってしまうでしょう。
そして「そういえばさっきの一秒、ちょっと遅すぎたかな?。」となります。
こうなると「じゃあ次の1秒は、気持ち早めるか。」となり、生活環境に慣れてきて、だらけてしまった新入生のようになってしまいます。
これでは正確な時間になりません。
逆にいうと、正確に時を刻まない時計は「魂が宿ってしまった」のかも。
ということで「うちの時計、あやしい!!」と思った人は、その時計の前で素早く歩いてみましょう。
魂が宿っているなら、古時計は「やべ、俺、時間の感覚遅れてる!!」と勘違いし、秒針を早めます。
メトロノームだって、そう。
宿ったメトロノームの前で、彼が刻むリズムよりも少しだけ速いテンポで演奏してみると、そのテンポに合わせて彼の振幅が早まります。
結果、両方どんどん早まります。半分ケンカです。
このように物、特に古い時計やメトロノームは、つくもる前に考えた方がいいと思う。
魂を宿したために生じる多くの苦悩やめんどうを考えたら、つくもらない勇気も必要。

「九十九の憂鬱」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    俺は物持ちが良いほうなので(自分でいうのもあれだが)、家中がつくもるメタモルフォーゼになりそう。
    俗に言う捨てられない症候群。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    「つくもりがいのある家」というコピーは、いかがだろうか。

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