映画「アウトブレイク」は未知のウイルスか何かと、人間か何かとの戦いを描いたものである。
うわさによると、人間は免疫系というウイルスや病原菌、エンガチョへの対抗手段を持っているらしい。
ところが、それが対抗手段として最大に効力を発揮できるのは「いままで会った事のある」相手の場合である。
相手が「未知のウイルス」となると、免疫兄弟がそいつのことを知らないため、うまくウイルスをあしらえないことがある。
われわれの体は未知のもの、言い換えれば「予想外のもの」に弱いのである。
そしてこれは、別にウイルスとか病原菌とかエンガチョに限った話ではない。
TVや本、話題に触れるとき、ハナから「こいつの送信するもの全てを受信して、あらゆる解釈をして、感心したり笑ったりしよう」という人は、まずいない。
どんな人でもいくらかは「流れ」を予測して、これらのものに触れているはずである。
いうなれば「情報免疫」。
たとえばニュース番組のスポーツコーナーで以下のような感じで番組進行が行われたとしよう。
「本日の巨人対阪神、9回表に逆転に成功した巨人、9回裏には守護神宇田川を投入。」
ここで、だいたいの人は思うだろう。
「きっちり3人でシメた」と来るのか、それとも「ところがその宇田川の5球目」と来るのか。
ここで「情報免疫」を持たない人が「ところがその宇田川?」の方に触れてしまうと、どうなるか。
「えぇーーー!!、と、ところが?!?。もう、俺のキャパシティーを超えてるよ!!。」と言うに違いない。
「情報免疫」とは、考えうるベーシックな方「きっちり3人でシメる」と、想定しうる予想外の方「ところがその宇田川?」を前もって予想しておくことにより、予想キャパシティーを超えないようにする機能である。
ここまでくれば、話は簡単。
僕らは「情報免疫」を打ち破るものを、求めている。
例えば上記の例を考えてみる。
「9回表に逆転に成功した巨人、9回裏には守護神宇田川を投入。」であるが、そのあと、
「9回裏には守護神宇田川を投入、取れない汚れにヨゴレトレール、その5球目」となったらどうなるか。
これは、予想外。
視聴者は「そこにCM持ってきたか?」となり、感涙にむせぶこととなる。
「9回裏には守護神宇田川を投入、その5球目が右手から放たれた瞬間、ボールはうなりをあげてゴールキーパー野本に向かっていった」となったらどうなるか。
これは、かなりひねくれた人なら免疫を持っているかもしれないが、多くの一般人にはバナナシュートであり、防げない。
また、
・「野本」って誰?
・「キーパー野本に向かっていった」なのか、「キーパーの元に向かっていった」なのか、どっちなの?
といった点でも、多くの人の免疫系を切り抜けられることだろう。
「9回裏には守護神宇田川を投入、もうそろそろこの生体を脱出できるくらいのエネルギーを得ることができたな、その5球目」となったらどうなるか。
な、なにそのニュースじゃ味わえない急激な展開!!。
さ、サイコーじゃない・・・。
僕も、こういった予想外は大歓迎。
近頃で、かなりやられたのは映画「博士の異常な愛情」のラストあたりの一言。
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物語中とかの予想外は大歓迎よね。
リアルでの予想外は、できれば避けたいところ。
台所から煮物っぽいにおいがしたのに、夕飯がカレーとかね。
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カレーならリアルでの予想外も大歓迎、と言いたそうだね。