案外地域密着型

「リョクチ公園」は、犬を散歩するにはうってつけの場所だ。
公園とは言っても結構うっそうとしていて、様々な鳥の鳴き声が聞こえたり、珍しい虫を見つけたりする。
昨日、コペルニクスと散歩していると、公園の入り口でゴールデンレトリバーをつれた中年男性と出会った。
私が公園に入り、下りはじめたところで(入り口は坂になっているのだ)この男性とすれ違った。
この公園には人工の水路のようなものがあり、そこに水生昆虫がいないかどうかを見るのが私の楽しみである。
公園をふらふらした後、それを見に行ってみると彼がいた。
大きなスコップを持って、水路近くに穴を掘っている。
犬は放置である。
自然そのままともいえる公園だが、それでも市の管理下にある。
自然の中の不自然な男が気になり、そばを歩いてみたりした。
もちろん、話しかけることはできない。
ただ、穴を掘りながらぼそぼそ言っているのを聴いた。
「まだ足らん・・・。」
「・・・捕獲・・・。」
「明日までには・・・。」
怖い。
コペルニクスも草を食べるのを止めてしまった。
次の日、そんなことをすっかり忘れて、同じルートを散歩した私は、恐怖におののいた。
男が穴を掘っていた場所から少し隠れたところに、山盛りの土があるのを偶然見つけたからである。
この量では、かなり深く掘ったに違いない。
それを見て、昨日のことを思い出した。
「どうやら、あのおっさんは何か捕まえようとしているようだ。今日までで、水路の近く・・・。」
ここまで考えたからには、穴を確認するほか、仕方がない。
水路に近づくと、その対岸の木の枝に何か、リボンのようなものが垂れ下がっている。
それはそうと、穴に近づいても、その穴がなかなか確認できない。むしろその場所は出っ張っているようだ。
!!!
でっぱりが動いた!!!。
あっ、烏帽子!!。
私は烏帽子に近づいた。
助けるとかそういうことではなく、とにかく言いたいことがあった。
「お前は子供が塗った樹液につられたカブトムシかっ!!。」
夏の風物詩がいっぺんに来た、7月7日。

「案外地域密着型」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    そっち蝉鳴いてるかい?
    何だかアブラゼミに血を吸われた姉を思い出したよ

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    違うよ!!。それ、でっかいアブだよ!!。
    そうじゃなかったら、
    お前が姉と思っていたのは、樹木だよ!!。
    姉さんと一緒に木登りして遊んだ、あの木だよ!!。

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