うがつ

傘の先端には金属もしくはプラスチックの棒が付いている。
構造的なことはわからないが、おそらく傘の骨とキレを止め、ばらーとならないようにするために付いているのだろう。
しかしもう一つの役割が、この棒にはある。
「地面にかつかつやる」
その形状がほぼ杖であるため、どうしてもそうやってしまいがち。
しかし、杖ほどの強靭さを持つわけでもないため、曲がったりしてしまう。
そして、傘は長い。
傘グリップ部分を地に付けるわけにもいかず、棒部分を上に向けるわけにもいかない。
それゆえ棒は、たえず地面すれすれの位置。
地面に穴をうがつほかないのである。
一方、折り畳み傘の先端は、どうだろう。
なんかゆるい、小さいプラスチック部品が、ポッチしているではないか。
そう。
折りたたみ傘の先端は、そのテクニカルな機能のおかげで「地面にかつかつやられる」危険がないのである。
したがって、見た目以上に柔肌。
おそらく敏感でもあるだろう。
その部分をかつかつやろうとしても無駄である。
地面に該当部分を近づけるには「柄」を伸ばすと思うが、やつらは「縮む」。
先端をかつかつやっても、柄が、なんとなく耐震強度的な動きにより、その衝撃を吸収してしまう。
折りたたみのやろうは、とにかく自分の先端にやさしい。
雨の日に番長などと決闘をする場合、相手が折りたたみ傘であるかを確認しよう。
もし折りたたみなら、さぁゴールは目の前だ。

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