僕らに約束された事象

「運命」というものを信じている僕は、弱虫なのだろうか。
例えば好きな女の子とばったり道で会ったりするとそれを感じたし、いやなことが立て続けに起こることも、自分の力ではどうしようもできない気がした。
僕はどこかに「アカシックレコード」みたいなものがあって、人間はそれに抗う事はできないんじゃないかと考えている。
けれど、そんなことを言う僕をみんながいじめる。
そんな時、僕はある人のうちへ行く事にしているんだ。
「こんにちは」
-やあ。
「みんなはいじめるけれど、運命ってありますよね?」
-いきなり難しい質問だね。
そう。
例えば、運命が無かったら、受け手側はそれに気付くことはないよね?。
「うん」
-かと言って、運命があったとしても、分からないと思うよ。偶然の一致だとか言ってね。
「そうかぁ」
-もしあったとしても、それを感じるにはあまりに人間の命は短すぎるのかもしれないよ。
「うん」
-でも、この世の中には、運命とは違うけど「そこそこ約束された事」というのがあるよ。
「ほんと?」
-例えば、レンタル屋さんでクラシックのCDを借りてごらん。音が小さめで記録されていることがだいたい約束されているから。
-また、みんなで使っているプリンタなのに、なぜか特定の人のときだけ紙詰まりが起こったりするのも約束されているんだ。
-雨の日にデパートで配られている傘用の袋に空気を入れてチャンバラするのも、だいたい約束されているよね。
-少しだけ都心から離れた駅近くのお店の外壁には、だいたいだけど「出没! アド街ック天国で紹介されました」っていうビラが貼ってあるという約束もある。
「結構約束された事って、あるんだね!」
-そうだね。
「でも、その約束って誰と誰の間のものなのかなぁ?」
-・・・それは言っちゃいけない約束になっているんだよ。

「僕らに約束された事象」への3件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    コンビニのおにぎりを袋から出すとノリが破けるのも、
    ヨーグルトのふたに中身がちょっと付いてるのも、
    シュークリームかじると口の横からクリームがむにゅーってでてくるのも、
    すべてが約束された事象。
    食い物関係のたとえしか浮かばないのも
    約束事。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >>あきひと
    それは自然現象なのでは?。
    冷たく言い放ってみた。

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