1万匹目の粘菌

みんなが一度は思うことは「ギラを覚えたから、スライムが1万匹くらい一斉にあらわれてくれないか」という、それはドラゴンクエストの話である。
「スライム」はドラゴンクエストの中でもたいがい最弱の部類に入るモンスターで、プレイヤーが強くなるための数値「経験値」すこぶる少ない。
一方、「ギラ」は複数の敵(グループ)をいっぺんに攻撃できる序盤に手に入れられる呪文として知られる。
「スライム1万匹ギラ一掃の夢」というのは、要は「どんなに敵があらわれても、一度で倒せる分には問題ない。故に弱い敵がすごくたくさん出てくれば、最初から強くなる事ができる」というものである。
ここには他に、「スライム数え直し問題(スライムが5匹出ても、なぜか3匹と2匹と言うように、別グループに数えられてしまうことがある)」や、「先制問題(スライム3000/10000匹の割合でも先制されると、ギラを唱える前にプライヤーが倒されてしまう)」が存在するが、何よりも心配なのは「スライムA〜?問題」だろう。
ドラゴンクエストでは、複数のモンスターをちゃんと個別に整理していて、例えば「スライム5匹」は以下のように整理、ちゃんと個性が尊重される。
Aを攻撃していたが、いつの間にかBになっていた、なんてことは発生しない。
【スライム5匹】
スライムA・・・1匹目
スライムB
スライムC
スライムD
スライムE・・・5匹目
ところで、スライムが1万匹ともなると、なんと名付ければ良いのか、わからないのである。
【スライム5匹】
スライムB・・・1輪目
スライムE
スライムA
スライムC
スライムH・・・5輪目
ごめん今の全然関係ないが、時事ネタはあまり好きではないことだけ、明記しておく。
ともかく、スライム1万匹目の呼び方である。
キーボードの電池がないので、あすううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう

フラワー

最近めっぽう暑く、ちょっと困る事が発生している。
「股間に塩が、粉をふく」
そんなに代謝が良い方にも思わないのだが、気付けばふいている。
汗をかいたのだろうか。
塩が貴重な時代だったら、たいそうもてはやされたかもしれないが、現在、股間に粉ふいていることでマイナスになることはあっても、もてはやされることはない。
湿ったハンカチでどうにか払おうとしてもうまく行かず、もうこれは「昼飯食ってたら店員さんがこぼしちゃってさ、フラワー粉」とか言うしかない。
「ほら、知らない?フラワー粉。日清の。それにしてもフラワーって、ね。小麦粉のことだってのは分かるんだけど、ちょっと華やかな感じすぎるよね、日本人としては」
股間にフラワー。
90年代のギャグ漫画過ぎる。

横顔

冗談ではなく、「おじゃる丸の横顔」には目を見張った。
知っている人も多いだろうが、なかなか神秘的だ。
とりあえず、輪郭を描いたらできた、という状態ではない。
甘食みたい。
しかし、僕はその奇怪な形状に驚いたというよりは、「そうなっていましたか」と妙に納得してしまった。
本来、こね途中の生地のようなあの形にはびっくりした方がいいような気がする。
目の前におじゃる丸が現れても、アニメのキャラクタというブランドよりも、その顔の形に恐怖すると思うから。
着ぐるみ。
着ぐるみも心配だ。
あるのかは分からないが、どうなっているんだ。
子供を守らなくていいのか、あの形状から。
しかし納得してしまった。
そういうことなら仕方ないと。
こうやって、あきらめながら人は成長するのかもしれない。
だがこの場合、僕があきらめたのは一体何なのか。
それを思い出す事もあきらめなければならなそう。

故意なら激怒、それ自然。

疲れて帰ってくると、ねこがテーブルの上に乗って僕の夕食らしきものを拝借している。
このやろう。
これが、ねこと夕食の鳥の唐揚げが僕を落胆させようとして画策したことなら、僕は寝る間も惜しんで激怒し、ねこには足払いを、鳥の唐揚げには舌鼓を与えてやる。
とりあえずレンジで温めて殺菌を期待し、侵されていない箇所を食す。
ふとキッチンに目をやると、ねこが鍋を探ろうとしている。
このやろう。
これが、ねことIHが相談して行った愚行なら、僕は寝る間も惜しんで激怒し、ねこにはガムテーブの芯を頭にかぶせ、IHにはIH非対応の鍋をあてがってやる。
シャワーを浴びようと風呂場へ向かうと、床に水たまりができている。
ねこのおしっこだ。
このやろう。
これが、ねこと床の共犯なら、僕は寝る間も惜しんで激怒し、ねこにはぎりぎり届かないところへシールを貼り、床には軽石の細かいのをこすりつけてやる。
おしっこをトイレットペーパーで拭いて流し、シャワーを浴びる。
風呂場から出てくると、トイレが詰まっている。
このやろう。
これが、ねこと下水道の画策なら、ねこにはえさを与えるフリをしておびき寄せ、捕まえていじりまわしてやり、下水道にはマンホールから砂利を入れてやる。
でも、どれも故意ではなさそうなので、僕は安心して寝る事ができるのです。

タイマー

タイマーを5分おき、3回も鳴らしているはずなのに、いつも3回目のところで起きる。
なぜ前の2回に気付かないのか不思議に思っていたら、アラーム音が2回とも「ツァラトゥストラはかく語りき」の導入部だった。
静かっちゃあ静かだが、でんでん言うところは大きいはず。
なぜ起きないのか。
あるいは起きない方が普通なのか。
「2001年宇宙の旅」のことを考えると、起きたいよねー。

兎馬の件について。

「王様の耳はロバの耳」の結末を知らない事に気付いた。
俺は今まで何をやっていたんだ。
悔しいので検索をしないが、一体どうだったのだろう。
王様の耳がロバの耳で、その秘密を吐露したくて仕方のない床屋か誰かが洞窟だか穴に向かってそれを叫ぶ。
誰にも聞かれまいとするための行動だったが、結局それは超漏れていました、みたいな話だったか。
床屋か誰かはどうなってしまったのだろうか。
秘密を暴露した罪は発生したのか、そして王様は人外の者としてどうなるのか。
それとも「ばれちゃいました、おわり」なのか。
ただ、この話は結構救いがあり、まず「ロバの耳は案外かわいい」というのがある。
それに、王様の人格を否定するような秘密でない事も助かる点だ。
「王様はエビの背わたを取り除いていないと箸をつけない」
これがどう、人格否定に繋がるかは各個よく考えてもらいたい。
しかし、「王様はいたって普通の人だが、エビの背わたを取り除いていないと箸をつけない」のと、「王様の耳はロバなのだが、エビの背わたとか気にしない」。
どちらがいいんだとすれば「ロバの耳は案外かわいい」のだからもちろん後者。
「エビの背わたを取り除いていないと箸をつけない」王様や「王様はエビの背わたを取り除いていないと箸をつけない」と穴に叫ぶ床屋か誰か。
彼らの器の小ささを鑑みれば、ロバの事はそんなに卑下する事はないのである。

酒池肉林ネクスト

先日「酒池肉林」と聞いて、久しぶりな言葉だなと感じたのだが、今考えてみるとどんな日常会話でそれが発せられたものなのか。
その方が気になる。
ところで「酒池肉林」は確か、食事や宴会がすごく豪華なさまを意味した気がする。
となると、「酒池肉林」な食事より、さらにすごい食事が出てきたら、というドラゴンボール的な発想が浮かぶのも仕方がない。
普通に考えれば「酒湖肉森」で、その次が「酒海肉山」、そして「酒空肉地」になるだろう。
「酒天肉地」でよいかもしれない。
「酒天肉地」はなんとなく言った感じが「酒呑童子」に似て、その点もよい。
しかし、普通じゃない方を考えるとなると立ちはだかるのが「酒と肉」の扱いである。
これらは嗜好に近い部分もあり、要は人によって好き嫌いに差がある。
故に、ここを変更するのは難しい。
例えばベジタリアンの方を考慮するなら「酒池肉林」は「酒池菜林」が適切であると思われるが、もちろん肉好きな人から見れば「酒池肉林」でよい訳である。
そして、これは「酒」にも言える事だが、「酒」なり「肉」なりはただ言い換えるのでは「酒池肉林」の豪華さが失われてしまう気がする。
「菜」は「肉」よりもこう、豪華さというか、欲っぽさがない。
清貧というイメージになってしまう。
さらに「菜林」というとなんとなく畑を連想させてしまうため、より質素な感じ。
「酒」などは、それよりも豪華さ、欲っぽさを出す飲み物があるだろうか。
例えば「石油」はどうだと考えてみたが、確かに豪華かも知れないが欲っぽさはなく、むしろそれを飲む事による「びっくり人間っぽさ」「ウルトラ怪獣っぽさ」の方が目立つ。
「大海原」も考えてみたが、これは豪華というよりは豪快であろう。
以上の点により、「酒池肉林」よりすごいのは「普通に考える」のがいいのでないかと思われる。

がんばれジャンヌ

「アナと雪の女王」の曲と言えば「レット・イット・ゴー」かも知れないが、僕は「雪だるまつくろう」が好きだ。
聞いた事のない人に概要を説明すると、幼少なアナが姉のエルザと遊びたくて歌うが相手にされず、それでも明るく歌っていたら少女くらいになったり両親が恐ろしくあっという間に亡くなり、テンションがた落ちで不安な心境を歌い、結果的に雪だるまはつくられない。
そんな歌。
この曲で気になるのが「両親が亡くなる」っぽいシーンの前後の歌詞を入れ替えると怖い、という点だ。
そのシーン前までは元気なので、入れ替えたあとの歌詞がいくらか暗くても、救いはある。
しかし、本来そこにあった歌詞「寂しい部屋で柱時計見てたりするの」を、テンションがた落ちで歌われると非常に怖い。
やはり、ある程度の年齢になったら「寂しい部屋で柱時計見てたりするの」は止めておいた方がいい。
「アナと雪の女王」は僕にとって、そういう映画である。

CD

小学生のころ、夏休みのほとんどを祖母の住む田舎で過ごしたことがあった。
自然には事欠かない環境で、生き物の多くは机上の図鑑でしか見た事ないものだった。
飲みたくなるような色の青空、視界の半分を占めて動く海。
恐ろしいまでのインパクトを僕に与えた期間だった。
そのときの思い出は多過ぎて乱雑で、どうにもまとめられないものばかりなのだが、その中でもかなり上位に入る思い出をひとつ紹介する。
それは「祖母はジュースとしてオロナミンCを出してくる」。
僕はそれまで、オロナミンCはリポビタンDと同じようなものだと思っていた。
これは今考えても仕方ないと思う。
ビンの大きさや色が似ているし、少なくともその頃の僕はリポビタンDを飲んだ事がなかった。
そしてやはり、オロナミンCは小さい。
故に「選んで買って飲む」という機会も少なかった。
CにもDにも触れることが少なかった僕にとって、オロナミンC10本パックが冷蔵庫に入っていることは結構衝撃的だった。
そして祖母にとってジュースとは、まさにオロナミンCだった。
海から帰ってくると冷えたオロナミンC。
もちろんそのときもおいしかったし、今でもおいしい。
しかしまだわからない。
オロナミンCはジュースなのか、あるいは栄養ドリンクなのか。
夏の小学生の僕の脳裏には、おいしいと思いながらも、似ているリポビタンD、崖から落ちそうになったあとに飲む滋養強壮のあれがちらついていた。
そしていつも、もう少し多く入ってたらいいのに、と思っていた。

悪口

今日は寒いし、電車で並んでたら割り込まれたし、マフラーで口元隠していたらちょうど鼻のところに毛がくるし、くしゃみは止まらないし、ぎりぎり避けてるつもりの人とぶつかるし、相手がいい人だし、座席の両隣の人はもっこもこだし、ホワイトボードんとこのマジックは全部ひからびてるし、カニクリームコロッケだと思っていたらカニコロッケだったし、中国の観光客の人にお台場の場所教えてもらったし、街のイルミネーションははしたないほど輝かしいし、お気に入りのポンチョのボタンがどっかいっちゃうし、ゴルフ場のビールはくそ高いし、フリスクまだあると思っていたらこないだ拾ったBB弾だったし、漫画読もうとしたら表紙カバーだけがそれで中身は違うやつだし、それでも風呂で読んでたら中から広告冊子が落ちてきたし、線路に人立ち入るし、便座はまだ暖まってないし、世界平和はまだほど遠いし、必要なときに輪ゴムはないし、必要なときに筆ペンはやっぱりひからびてるし、かぼちゃは煮くずれして表皮だけになってるし、プレステとプレステ2の置き場ないし、3DSの立体機能使ってないし、ストーブの前は猫が占拠してるし、ディズニーのタオルハンカチは小さ過ぎて手を拭いただけでびちゃびちゃだし、スーパーのビニール袋はなかなか開かないし、カウンターに濡れ布巾ないし、豆腐買ってないし、足がすごく腫れちゃったし、お医者さんは「虫的なものです」以上の事は教えてくれないし、ウェットティッシュはやっぱりひからびてるし、ポストの投函口にシュレッダーを仕込むいたずらを思いついちゃうし、灰汁は取っても取っても出てくるし、水兵リーベのこと知ってるけどプライベートは知らないし、そもそも誰なんだって感じだしで、文句も言い疲れたので、明日休んでいいですか。

前回の悪口