卒業文集 16番

卒業文集
16番 だじゃれ
誰もが、僕が卒業するなんて思っていなかったでしょう。
僕自身も驚きです。
あ、今のはそれじゃないですからね。
思えばものごころついて、言葉を覚え始めたとき。
そこからもう僕は皆さんと一緒になってがんばってきました。
今のも違います。
そして今、僕は旅立ちます。
実は、僕はこの卒業は、いい機会だと考えています。
だって、どんな人にもそれぞれの「駄洒落ポイント」があって、そのことを意識すると、おいそれと話なんてできないからです。
今のもです。
あれあいつ。
今駄洒落言わなかった?。
ああ、あいつはほら、自身がそうだから。
そう、何度言われたでしょうか。
「駄」とは付いていますが、学校で学んできた僕にとって、多少なりとも誇りがあります。
先日、学会で発表した駄洒落に関する論文「文字数と行数別に発生する、語彙三十七移置換アナグラム法のひずみに関する解析」にかからないような駄洒落には、僕は関わりたくないのです。
僕が卒業すると、「サー」の称号がつくのと同じような理由で、マイナス称号「だ」が取れると聞いています。
街で「じゃれ」を見かけたらそれが僕なので、気軽に声をかけてください。
どうもありがとうございました。

卒業文集 15番

卒業文集
15番 宋
みんな卒業おめでとう、そしてありがとう!!。
そうです。
宋です。
王朝だからって威厳ぶるようなことはしたくなかったんで、ずいぶんおちゃらけた私を、みんなは体よく無視してくれましたね。
なんたって踏まれてましたから。
ってそれ宋じゃなくて床だよ!!。
なんとなく宋に比べて、床は木が右側から出られそうだよ!!。
ぼんよよよーん。
さて、こうして私が南と北の双子だということはみんな知っているでしょうか。
双子だったんです。
だからいつも競っちゃって競っちゃって。
でもいつも北のほうが先なんですよ。
って双子の件は宋じゃなくて宗だよ!!。
宗兄弟への持って行き方、無理がたたってるよ!!。
そしてこの手のだじゃれって、どれほどパソコンの変換機能に頼ってんだよ!!。
ぼんよよよーん。
さて、宗とくれば私の思い出すのが「ぼくらの七日間戦争」の「宗田理」。
王朝として気になるのは、やっぱり「七日間」ってとこです。
へえ七日間でね、という感じです。
みなさんとは七日間どころではなく三年間戦争をしてきたわけですが(おいおい)、それも卒業です。
12チャンネルで「宋時代の磁器です」なんて言葉を聞いたときは、私のことを思い出してください。

卒業文集 14番

卒業文集
14番 姓名判断
ご卒業おめでとうございます。
みんなが卒業できることは、だいたい分かっていたのですが、やはりそのときになると感無量です。
僕も一緒に卒業できることを誇りに思います。
僕がどのくらい誇りを持てるのか、それもだいたい分かっていましたが、卒業式のときの校長先生の話は感動的でしたね。
僕も泣いてしまいました。
・校長先生の話の感動ぐあい
・誰が卒業式で泣くか
・体育館内における涙の総量
この辺もだいたい分かっていました。
僕はその人の名前を聞くだけで、だいたい分かってしまうのはみなさんご存知のところです。
だから、みんなが卒業できることは、だいたい分かっていたのです。
ところでこのような占いを信じない人もいました。
宋くんもそうでした。
しかし、実は信じる信じないどころではないのです。
すべての事象は、すべての占いから生じているものなのです。
そしてすべての占いは僕、姓名判断が基となっているのです。
例えば姓名判断にて「左が吉」と出ればそれは正しく、占星術でも手相でもそのような結果が出ます。
ここで速やかに改名します。
すると、その手続きが終わるかどうかの時に、手のしわがぐにゃっぐにゃになります。
そして手続き完了の瞬間、前とは違った手相になるのです。
この変化した手相こそ、改名後における「左が吉」の手相なのです。
同様に、星の位置も変化、移動します。
映画「ディープインパクト」の冒頭にある、安易に改名を行う男のシーンが有名ですね。
まあ上記は全て冗談ですが、名前が変わるというのは究極魔法メテオに負けず劣らずの衝撃、環境の変化をその人に与えるというのは本当です。
このへんまでを、仲人をやる機会があったら話してみたいと思っています。
最後にもう一度、卒業おめでとう!!。

卒業文集 13番

卒業文集
13番 巣鴨
みなさん卒業おめでとうございます。
私はある意味卒業間近な人に人気があるから、自分自身が卒業できるなんて思っていませんでしたけど、どうもできるみたいです。
ありがとうございます。
私がこの学校で学んだことは「勘違いはときどきいい方に働く」ということです。
この学校に転校する前、私は「原宿」みたいと言われていたことがあります。
今でも人気の原宿ですが、当時は特集ミニコミまで出るような存在でした。
その頃から私は「ロージン」という言葉をたびたび聞きました。
私と「ロージン」は深い関係にあるというのです。
そのロージンのことを、私はずっと「ローライズ調のジーンズ」のことであり、「若者くささ」もしくは「若者ぶりくささ」が原宿とまあ合っていると得意げでした。
いつか、姓名判断をしてもらっているときにその勘違いに気づかされました。
「ロージン」とは「高齢者」のことであると知ったとき、恥ずかしさと同時に「ロージン」について、いかに多くの人をこれまで傷つけてきたかを感じました。
高齢者を前に「ロージン」のことを勘違いしたまま話したりしていたのです。
ひどい話です。
しかしこれが幸いな方に働いていました。
高齢者の方はたいそう「ロージン」が好きらしい私を好いてくれたのです。
私は私で「おばあちゃんの原宿」というミドル標語を気に入り、現在に至っています。
原宿に対する思いは今でもかわりありませんが、もう勘違いしていません。
今では「原宿?、人多そうで体つらっ」って感じるようになってしまいました。
これも私らしいと、卒業間近の人に好評です。
みなさんもこれからどんどん「体つらっ」と感じる人になってください。
あとみなさんがよく聞いてくる「とげぬき地蔵は地蔵にとげを刺すのか、それとも事前に刺されているとげを抜くのか」についてですが、わたしもよくわかりません。
ぜひおいでください。

卒業文集 12番

卒業文集
12番 しみそばかす
「そばかす」って、よく読んでみるとすごいことになっていますよね。
「そば」の「かす」です。
でも、私は自分の名前が気に入っています。
「そば」の「かす」ですから。
私がこの学校に入ったとき、みなさんはそのネガティブなイメージから私を遠巻きにしていました。
しかし今ではたくさんの友達もでき、私の住んでいる巣鴨からはだいぶ遠い学校でしたが、入学して本当によかったと思っています。
ただ、一つ気になっていたことがあります。
なぜ私のニックネームが「ししゃも」なのでしょうか。
私は入学してから、1度も「ししゃも」をかもし出したことはないと思います。
外見も「ししゃも」には似ていないと思います。
出だしが同じ「し」なのですから、普通に「しみそば」などとなりそうなものですが。
なんらかの気遣いだったのでしょうか。
最初に書きましたが、私は自分の名前が好きです。
「しみそばかす」
「そば」の「かす」でもありますし、「しみそば」というあまりおいしそうでない食品でもあります。
また、「しみそ」と「ばかす」に分けてみると、「しみそ」「ばっかす」。
「しみそ」がたくさん、という意味にも取れます。
だから本当は、ニックネームは「しみそ」が一番よかったです。
けど、逆に「めらにん」「ふじつぼ」などのニックネームでなかったことについては、いくらお礼を言っても足りません。
私が卒業したあとも美白にならないことがあると思いますが、先生方、みんな、本当にどうもありがとうございました。

卒業文集番外・いがみあい宇宙?

「では、卒業生のことば」
「6年1組、門田くん」
たで食う虫のみなさん、心からの感謝のことば、どうもありがとうございます。
私たちも、みなさんをいじりまわした甲斐があったというものです。
さて、私たちは今日を持って卒業をするわけですが、みなさんはこれからもこの学校で学ぶべきことがたくさんあります。
私たちが学んだ教室で学び、私たちが座ったイスに座り、私たちが泳いだプールで泳ぎ。
私たちの息のかかった学校生活を満喫してください。
今日はどうもありがとうございました。
私たちは、全先生方の弱みとともに、卒業します。

卒業文集番外・いがみあい宇宙

「では、在校生のことば」
「5年3組、三浦くん」
6年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
思えばこの1年間、みなさんから本当に多くのことを学びました。
変な意味じゃなくて。
全体遠足のとき、先輩がたは僕らに自らの荷物を託し、腰の強い人間へと成長させてくださいました。
変な意味じゃなくて。
また、運動会では僕ら下級生を叱咤激励し、あるときは強い口調で激励して我々を奮い立たせ、やはりこしの強い人間に仕立ててくださいました。
変な意味じゃなくて。
でも今日、みなさんはご卒業します。
本当にご卒業します。
本当にご卒業するんですよねと、問いかけたい気持ちで一杯です。
また、皆さんがご卒業することで本校の風通しがよくなりすぎるのではないかと、5年生たちは不安です。
でも、その不安も乗り越えていきたいと思います。
最後に、在校生から先輩がたへ、歌のプレゼントを行います。
???別れのうた???
在校生一同
♪悲しいけれど 別れはいつも目の前に
♪あなたにもらった訓示と掟 胸の奥底とどかぬ場所へ
♪晴れわたった広い空 やさしくはためき彩る青葉
♪別れのことばを あなたに送る
♪悲しいけれど 別れはいつも年功序列
♪あなたの励まし いたるところに心の傷とともに
♪これは別れじゃない 新たなはじまり
♪ちぃーっすの気持ちを あなたに送る

卒業文集 11番

卒業文集
11番 妻子
はい邪魔ですか。
「妻子ある身」っていう言葉がある時点で、どうしてもお荷物方向ですか。
まとめますか。
お荷物だから「妻」と「子」、まとめますか。
そうですか。
持ちますか。
お荷物だから「妻子持ち」といいますか。
なんなんですか、世界。
私のことを、なにやらネガティブに感じすぎではないですか。
「妻」と「子」ですよ、男子諸君。
三種の神器のうちの、二種ですよ、男子諸君。
それを「しみそばかす」みたいに、一緒くたにして。
一体、どういった了見なんですか。
一緒になったときはもてはやして。
飽きたらもういらないなんて。
もう、1円の価値もないとお考えなんでしょう。
あ、今「妻子アルミ」とか考えたでしょう。
一体、どういった了見なんですか。
もう、しばらく卒業させていただきます。

卒業文集 10番

卒業文集
10番 これから
みんな、僕の顔を見ると、微妙な面持ちでした。
なぜでしょうか。
僕が「つかず、離れずの距離を維持したい」ときに使われるからでしょうか。
これからも、よろしくお願いいたします。
これからも、いいお友達でいましょう。
これからも、元気でね。
それとも「その前は何してたんだい」と思われるからでしょうか。
これからは、頑張ります。
これからは、ちゃんとします。
これからフランス語を勉強する方に。
これからがあるんだから、いいじゃないですか。
これからがあるんだから、いいじゃないですか。
妻子も、そう言っていました。
これからがあるんだから、いいじゃないですか。
僕がいなかったら、よろしくお願いいたされないのですし、友達でもないし、元気じゃない。
頑張らないし、ちゃんとしないし、フランス語の勉強もしないじゃないですか。
もてはやせ、とは言いません。
「お前、いつから「これから」が始まるんだよ?」
この学校で、30回は言われたひやかしです。
僕が「これから」である以上、ある意味もうこれからが始まっているし、もう終わっているとも言えるのです。
それだけ、みんなに伝えたかったです。
追記
これだけ「これから」を見ていると、ゲシュタルト崩壊チックに、ワケが分からなくなりますな・・・。

卒業文集 9番

卒業文集
9番 ケーススタディ
ある日、近所のおじさんが僕を訪ねてきて、
「彼氏を紹介するといって娘が連れてきたのがボルゾイだった場合」
について、アドバイスをしてほしいといいました。
僕はそんな事例、あるものかと思いました。
僕は、初めてのことが嫌いなのです。
このときは過去に事例が2件あり、それぞれがうまくいったものがあったのでよかったです。
「ボルゾイはそこらの男よりもかっこいいよ」とアドバイスできました。
しかし、別のおじさんが来たときは困りました。
「孫にカブトムシを宅急便で送ったが、着いたときにバラバラになっていた場合」
についてです。
おじさんは「われもの注意」のシールも貼ったのに、と怒りました。
僕はそんな事例、あるものかと思いました。
僕は、初めてのことが嫌いなのです。
ところがこのときも過去に事例が15789件あり、全てがうまくいったものがあったのでよかったです。
「おじさん。品名に事務用品と書いちゃうと、バラバラになりますよ」とアドバイスできました。
おじさんはあちゃーといった面持ちで帰っていきました。
このように、私は初めてのことが苦手でした。
しかし、この学校で初めてのことを想定しながらやったらうまくことを学べました。
ある日、また別のおじさんがやってきて、
「ストローの途中が割れていた場合」
について、アドバイスをしてほしいといいました。
これは事例がありそうだぞ、と思いました。
しかし、事例はあるものの、それぞれがかなりユニークな対処法になっていて、困ってしまいました。
けれど、そのシーンをちゃんと想像して考えたら、アドバイスが浮かびました。
「空気もろとも吸え」
おじさんは納得して帰りました。
これからも。
この経験を生かしていきたいと思います。

ケーススタディとは、違うな・・・。