卒業文集 8番

卒業文集
8番 楠田枝里子
大きな人になりたいのです。
この間、お母さんと買い物に行ったとき。
スーパーの大安売りコーナーで、人とお母さんを押しのけてまで並ぼうとしたとき、思ったのです。
「もっと余裕のある、こころの大きな人にならなくては、だめだ。」
大きな人になりたいのです。
少し前、急いでいるのにホッチキスの針がなかったとき、ホッチキスに怒ってしまいました。
そのとき、思ったのです。
「もっと余裕のある、こころの大きな人にならなくては、だめだ。」
これからは、そうしようと努力します。
フタの開いていない状態のティッシュに、ティッシュカバーがかけられていても、怒らないようにしようと思います。
忙しくても、木に風船がひっかかって泣いている子を見かけたら、風船を取ってあげようと思います。
ケースくんが、私の大切にしていたプラネットマンのキン消しをなくしてしまったことも、許そうと思います。
大きくなって、将来はみんなを楽しくさせる仕事につきたいです。
注:本文いかなるオブジェクトも、全てフィクションです☆

卒業文集 7番

卒業文集
7番 局地的な大雨
先生、皆さん、本当にありがとうございました。
どうにか学校を卒業することができ、晴れて四季に就職することができました。
この学校での思い出は、僕のことをみんなに理解してもらおうと必死だったことしかありません。
仕方がないのですが、どうしても僕は悪者になってしまうのです。
最近、調子のよくないときが多くなり、そのときどうしても降らせてしまいます。
それが迷惑だというのです。
僕だって被害なんか出したくないです。
しかし、こうして学校には通っていますが、僕は自然現象なので、どうすることもできません。
そう叫びたいときもありました。
でも、僕が泣きそうになると、あわててみんなやさしくなるのが面白かったです。
楠田さんなんか、僕の頭をなでてくれました。
そうした学校生活は、必ずしもつらいものではありませんでした。
でも、もう卒業です。
僕は、どうにもならないときがあるので、これからも皆さん気をつけてください。
では今度、前線で会いましょう。

卒業文集 6番

卒業文集
6番 カーリー・スー
お父さんは夜、タンスに体あたりをします。
新しいしごとのれんしゅうなのです。
「あたりやのしごとは、かどにたいする考えで、すべてきまるとおもう」
お父さんがしごとのことを言います。
お父さんが「車にあたったあと、その車がにげたら、ハイリスクハイリターンになるんだろうな。このしごとは」と言いました。
わたしがよくわからないというと、お父さんは、あたりやをやったときに車がにげたとき、その人を見つけられたら、よりたくさんお金がもらえそうだけど、見つけれなかったらお金がもらえない、ということを言いたいのだと言いました。
わたしは、そのとおりだと言いました。
あそびにきていたきくち君が「あたった車がにげたとき、だれが一ばんわるいの」とお父さんにきいたら、「おじさんも、くるまのひとも、じだいも、みんなわるいんだ。」と言いました。
わたしは、そのとおりだと言いました。
きくち君は、わるい人にはなりたくない、と言いました。
わたしは、もっともだと言いました。
わたしがそつぎょうしたら、お父さんにもっとかどのいいタンスを買ってあげようとおもいます。

卒業文集 5番

卒業文集
5番 送り出し
もう卒業まで、そんなに時間がありませんね。
卒業、おめでとう。
「決まり手随一のやさしい感じのする名前」として、なかよくしてくださったみんなと別れるのはさびしいですが、これからみんなが活躍することを考えると、それも気になりません。
みんなと過ごした生活を、大切にしたいと思います。
でも、ここでの生活で、ひとつだけ心残りなことがありました。
餌食君を引き止めることができなかったことです。
この前、餌食君のことを知ったカーリーさんが、僕に「名前のとおりだね」と言いました。
正直ショックでしたが、でも、そのとおりだと思います。
2日間、アルカトラズ君だったらどうしたろうかと、考えずにはいられませんでした。
今期も僕はこの学校に残りますが、餌食君のことを忘れずに、次の同級生を迎えたいと思います。

卒業文集 4番

卒業文集
4番 餌食
みんながこの文を読んでいるとき、私がいなくなってからずいぶんたっているでしょう。
先生が私に「お前はみんなよりも、早めに卒業文集を書いておくように」と言ったとき、なんとなく自分の近い未来が見えたような気がしたのは、悲しいことではありませんでした。
こんな存在ですから。
どんなときでも、リングの上に立ったら最善を尽くすのが仕事ですから。
ただ、私が言いたいことは、私の存在はいいんだけれど、それを表す言葉が「えさ」「たべる」で構成されるのは、まぁ合っているけどあんまりじゃありませんか、ということです。
この点、そんなことを考えていたやつもいた、ということで、ときどき私のことを思い出してください。
仲のよかったおぐり君に、この作文を託し、私は自分の仕事をまっとうしようと思います。
いままで、どうもありがとうございました。

卒業文集 3番

卒業文集
3番 宇野 まさる
この学校では、いままでほんとうにありがとうございました。
たくさん思い出がありますが、そのなかでも、となりの席のえじき君が学校に来なくなったことがくやまれました。
話は変わりますが、ぼくはデーゲームがすきです。
ぼくがいままで、一番おどろいたことは、図書室のパソコン全部に、けんさくワードのり歴に「宇野 おでこ」があったことです。
これからも、どんどんのびて生きたいと思います。

卒業文集 2番

卒業文集
2番 イイジマフクロウニ
みんな、卒業おめでとう!!。
学校を卒業すると、みんな違う学校になってしまうので、さびしいです。
でも、そもそも僕は毒をもっていて、友だちはいなかったので、大丈夫です。
一回だけ、僕の机を見て宇野くんが「机、傷だらけだね」と言ってくれたことが、僕の思い出です。
あと、4年生のとき、ダイバーの人が僕を駆除しに来たときのことが心に残ります。
僕はこの学校を卒業後、私立毒物劇物取扱専門学校に就職しますが、これからもよろしくお願いします。

卒業文集 1番

卒業文集
1番 あるかとらず
ぼくがいちばん、学校生かつで心にのこったことは、えん足のときに、いいじまくんに「おまえ、もっとひらいていこうよ」と言われたことです。
ぼくはわかりませんでしたが、みんなはぼくのことを「ひらいていない。むしろ、出ていこうとしているものをおさえている」といって、さけます。
いいじまくんは、おかあさんにぼくのいえにあそびに行くことを話したら、かえってこられなくなるから止めなさいと言われた、と言いました。
うちのおかあさんにそのことを話したら、そうなった人もいるけど、それはしょうがない人だから、しょうがないのよ、と言いました。
ぼくはこれから勉強して、しょうがない人が来ないようにしていきたいとおもいます。