天涯孤独の価値

前提:
事実しか、書けないようになった。
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ある種の推理小説家たちは、こぞって天涯孤独の人に金を払って、すり替え殺人をするように説得した。
ある種の推理小説家たちは、そのやり取りをすっぱ抜いた。
ある種の推理小説家たちは、そのすり替え殺人の被害者となった。

どくろを置いたら

このブログの書き出しで多いのが「みんなでー!! ぱっちょむ!! ぷぷるぴーの!!」ではないのだが、たいていは「最近気になるのがね」だ。
それ。
正直、そんなに気になってない。
むしろゼロの勢い。
ゼロというものに勢いがあるかどうかは難しい所だが、そんな中で最近気になるのが「どくろマークの下でクロスする大腿骨みたいなもの」だ。
どくろマークはわかる。
危険なんだ。
毒薬。
自爆スイッチ。
海賊。
どれもちゃんと危険。
しかし多くのどくろマークには下、あるいは背景としてクロスした骨っぽい骨がある。
あれはなんなんだろうと思う訳だ。
調べてみると「トーテンコップ」というどこかの紋章に、それが特徴としてみられるらしい。
しかし「クロスした骨っぽい骨」の詳細はなかなか見当たらない。
まず考えられるのが「威圧説」だ。
どくろでも十分威圧的でデンジャラスだが、さらに大腿骨を添えることで、もう骨満載。
おまえこれ触ったら大変だぞ、大腿骨もこうしてやるぞ、を存分に出している。
添えるといえば「どくろを置いたら
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ここで、下書きが終わっているのである。
一体、なぜこんな中途半端なところで書くのをやめているのだろうか、5月の私。
【添えるといえば「どくろを置いたら】
続き、僕が知りたいわ。
今考えるとするならば、「どくろを置いたら転がってしまう。どくろは安定性が悪いのだ。だから大腿骨を添えて転がらないようにする、箸置きみたいなもの」だろうか。
ということで、今回はフリーシナリオシステムを採用。
自分だけの「どくろを置いたら」を楽しもう。

ショッキングピンク

今、黒地にショッキングピンクの服装を見かけたら、それは「ファッションセンターしまむら」がその家庭のファッション事情に関与している、と考えて間違いない。
そんなことを知人から聞いた。
確かに、黒地にショッキングピンクの小中学生をよく見かける。
大元は他なのかもしれないが、とにかくこれは小中学生の「黒地にショッキングピンク欲」を見抜いたしまむらを誉めるべきである。
おや。
あの娘は、もうパンツが見えそうなくらい短いスカートで、黒地にショッキングピンクだ。
彼女としまむらの関係は。
しまむら「黒地にショッキングピンクの商品を取り扱っておりますが、パンツが見えそうな点については、しまむらは一切関係ございません」
そうだろう。
パンツの可視不可視は着衣本人の意向によるものだし、それが何に関係するかと言えば、しまむらというよりはむしろ僕らだ。
もう、女子のパンツの件については、左右されっぱなしなのな僕らって!!。

景観

「景観を損ねる」という言葉を思い出したとき、普通浮かぶのは、吹けば飛ぶよな楳図かずお氏だろう。
しかし景観というものが経時的に可変で、しかも近年になって重要性が激増したことを考えると、どうも「景観を損ねる」という言葉は「その対象を否定する形だけのもの」な気がする。
その実際は「その対象が景観に溶け込むまで、我慢できない」ということだろう。
先日行った公園は、多くの自然が残されたところだった。
樹木も多く、フィトンチッドを体中に、脇とか股間にも浴びた。
そんな清々しい気持ちで歩いていると、唐突にソフトクリームのオブジェクトが現れた。
巨大だ。
一見、森にソフトクリームというのは変だが、特にそれに対して「景観を損ねる」という気持ちにはならなかった。
色あせてコケが付着していたから、何となく周りの樹木に溶け込んでいたし、その後ろにはお店があった。
「ソフトクリームを提供しているお店のある、森」
当初の、ぴかぴかしたソフトクリームに対して「景観を損ねる」という懸念は無かったろうし、そもそもそういう考え方が欠如していたかもしれない。
どちらにせよ、ソフトクリームは「景観に溶け込むまで、ほっておかれることができた」わけだ。
これが例えば「ときどき爆発するドラム缶」だったらどうだろう。
「景観を損ねる」という考え方がなかったとしても、それは許されるものじゃない。
「それが景観に溶け込むまで、我慢できない」
「というか、景観どうこうの前に、危険」
「景観を損ねる」なんて言葉だから、楳図氏の件ではテレビショーに取り上げられるまでになってしまったのだ。
「景観を損ねる」だと、景観って何だ、お前んちはどうなんだ電線はどうなんだとなるし、「景観に溶け込むまで、我慢できない」だと大人げない。
反対派の人はちゃんと「景観は関係ないが、楳図ハウスはいろんな意味で爆発の危険がある」と指摘するべきだった。
そうすれば、楳図氏としては「そりゃいろんな意味で爆発する家を作るよ」と言うことができ、より美しかった。

メビウスリング

目の前にマジックテープがある。
10cmほどの長さの、べりりと剥がすやつだ。
なんとなく思った。
「マジックテープのメビウスの輪を作って、それを剥がすとどうなるのか」
手元にあるマジックテープは長くない。
僕の頭でそれをシミュレートするにはマシンの性能とメモリが足らず、おそらく自律神経関連で使っているところもそれに回さなくてはならない。
そうすると死ぬ。
あれ、それって自律じゃないじゃん。
ともかく、「マジックテープのメビウスの輪」の問題はよくわからない。
確か、メビウスの輪を真ん中から切っていくと、連なった2つの輪になるという、ちょい意外だった。
その「ねじれ」をひとつ増やしたメビウスの輪だと、大きな輪になったような気がする。
マジックテープのやつも、テープ的な紙が2枚あればできるのでやってもいいが、あまり重要そうでもないため、妄想で終えることにする。
※マジックテープのメビウスの輪を剥がしたらどうなるか。
1.両手を広げての指先から指先までの長さがわかる。
2.剥がしていく度に、剥がし終えたところが勝手にひっついていく。
3.自分はマジックテープを剥がしているつもりだったが、実は20年間意識不明の患者で、病室のベッドで目が覚めることになる。
4.その様子を見ていた人と、友達になる。
5.ちょうどマジックテープを必要としていた人に見つかり、取引を持ちかけられる。
眠いので終わり。

2809年

「宇宙時間、10秒です」
師匠との戦いはまだ決着していないにも関わらず、もう観衆はひとりもいなくなってしまった。
すでに2日間、続いているからだ。
だが、動いた。
俺にとっては好転した。
布陣に穴をあけた俺は、一気に追いつめていく。
師匠も粘るが、それはもうどこまで持つか、というくらいだった。
そしてついに、俺の「飛車」が盤の枠を突き抜け、師匠の体を駆け上がっていく。
師匠は身悶えするが、その速度は変わらない。
「宇宙時間、20秒です」
「飛車」は一気に額まで上っていき、そこでくるりと「竜王」に成った。
王手。
どのくらいの時間が流れただろう。
師匠は弱々しいため息をついたあと、小さくうなずいて「見事じゃ」と言おうとする。
しかしその言葉の前に、飛車の陰に隠れていた「と金」がその口に飛び込んだ。
「ふぃほほふぁ」
勝負あり。
師匠も年を取ったもんだ。

音楽

前提:
人は小さい機械に音楽を詰めて、歩きながらそれを聴くことができるようになった。
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音楽からの解放をうたう運動は政治までも動かし、音楽プレーヤーのパッケージに「あなたの健康を損なうおそれがありますので聴きすぎに注意しましょう」という旨の表記にパッケージ面積40%を使用することを義務づけた。