卒業文集
5番 送り出し
もう卒業まで、そんなに時間がありませんね。
卒業、おめでとう。
「決まり手随一のやさしい感じのする名前」として、なかよくしてくださったみんなと別れるのはさびしいですが、これからみんなが活躍することを考えると、それも気になりません。
みんなと過ごした生活を、大切にしたいと思います。
でも、ここでの生活で、ひとつだけ心残りなことがありました。
餌食君を引き止めることができなかったことです。
この前、餌食君のことを知ったカーリーさんが、僕に「名前のとおりだね」と言いました。
正直ショックでしたが、でも、そのとおりだと思います。
2日間、アルカトラズ君だったらどうしたろうかと、考えずにはいられませんでした。
今期も僕はこの学校に残りますが、餌食君のことを忘れずに、次の同級生を迎えたいと思います。