卒業文集 4番

卒業文集
4番 餌食
みんながこの文を読んでいるとき、私がいなくなってからずいぶんたっているでしょう。
先生が私に「お前はみんなよりも、早めに卒業文集を書いておくように」と言ったとき、なんとなく自分の近い未来が見えたような気がしたのは、悲しいことではありませんでした。
こんな存在ですから。
どんなときでも、リングの上に立ったら最善を尽くすのが仕事ですから。
ただ、私が言いたいことは、私の存在はいいんだけれど、それを表す言葉が「えさ」「たべる」で構成されるのは、まぁ合っているけどあんまりじゃありませんか、ということです。
この点、そんなことを考えていたやつもいた、ということで、ときどき私のことを思い出してください。
仲のよかったおぐり君に、この作文を託し、私は自分の仕事をまっとうしようと思います。
いままで、どうもありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です