前回からのつづき
【あらすじ】
すごく大きい、燃料を貯蔵してそうな丸い構造物「アレ」について。
特撮モノで、怪獣にアレを壊させている意図とは!?。
実のところ、アレは転がるものなのではないだろうか。
そして、その事実を隠すために、わざと怪獣という創造されたものに壊させているのではないだろうか。
もしそうなら、その試みは成功していると言えよう。
「お父さん、アレって、転がるのかなぁ?」
「転がるはずないじゃないか。」
ただ、なぜ「転がらない」と思わせたいのか。
それは、アレが転がるのは現実に対して、ちょっとファンタジーすぎる、ということに尽きよう。
安全性、コスト面、容量と、すべてを兼ね備えたタンクを開発することができた。
そして建造の許可を受ける際、こんなやり取りがあったのである。
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A「素晴らしいタンクですね。文句のつけようがない」
B「そうです。夢のタンクです」
A「すぐに許可がおりるでしょう」
B「ありがとうございます」
A「ところで、一応なんですが」
B「はい、何です?」
A「まさか、転がらないでしょうね?」
B「え、何がですか?」
A「ですから、土台部分が外れた場合、崩壊するのではなく、転がってしまう、ということです」
B「土台が外れることはあり得ません」
A「では、土台をつけずに建造した場合は?」
B「そんな憶測は、無意味です」
A「とにかく転がらないか、が重要なんです。もちろん崩壊でも転がるのでも、絶対にあってはならないことです。しかし、もしもがあって、転がってもみなさい。被害の中に、ファンタジーが生まれてしまいますよ」
B「何言っているんですか。試してはいないですが、とにかく転がったりしません!!」
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転がってしまったのである。
しかし、災害による崩壊とその二次災害の重大性を考えると、その強度を下げることはできない。
まだ転がった方がまし、とは口が裂けても言えないが、まぁそうだそうだ、となったのではないだろうか。
絶対に崩壊も転がりも起きないはず。
しかし、転がる能力だけは持つ、アレ。
それを隠すため、色々な場面で「アレは転がらないことを想像させる方針」が取られているに違いない。
人々に「アレは転がらないもの」であるという誤った事実を植えつけているのである。
なんというプロパガンダだろうか。
実際に何か起きて、アレが転がってしまったとき、国がどう動くか、見ものである。
転がった跡を見て、国も言い訳できまい。
紙面が「七転八倒」という言葉に染まることになるだろう。
ちなみに、まだ調べていないが、おそらく「アレ」の周辺は高低差がつけられており、もしものときにアレが転がるルートを確保、終点には穴が仕込まれているのでは、と考えている。