罵倒差

最近いやけっこう前から、お昼の連ドラは濃度の高い人間関係がポイントとなっているそうだ。
今やってるものなのか昔のものなのかは不明だが、聞いた話によると「レズビアンな二人と、そのうちの一方を愛した男性」によるサクセス(サクソウ)ストーリーがえらいことになっていた、とのことだった。
レズビアンの相手を男性に取られそうになった女性役は、かなりの怒りっぷり演技を披露。
それが奥様方の五臓六腑をつかんだらしい。
どうやら人間には、様々な愛のかたちがあるようで、その点でなんら言うことはないのだが、この話で気になることもある。
相手を取られそうになった女性が男性に対して、どのように罵倒するのだろうか、という点である。
例えば、僕らが慣れ親しんだフレーズとしては「このメス豚が!!」「このどろぼうネコ!!」が最優良2トップである。
しかしこの2トップ、どうも男性に対してだと少し論点がずれている気がしないでもない。
例えば、男性はオスであるため、「このメス豚が!!」だと相手に自分のことであると気付かれない可能性がある。
ということで「このオス豚が!!」という改善が必要となるのだが、これでは、体で恋人を奪った憎き男、という感じはしない。
同時に、そもそも豚が、人間にとって何か卑猥なものを思い出させる動物であるかというと、そうでもない点に気付く。
かなり清潔好きな動物であるらしいし、ピッグでありポークでありベイブである。
何故、このフレーズが2トップ枠を獲得できているのかに疑問が生じるところである。
また、黄金の右足を持つ「このどろぼうネコ!!」だが、どうしてもネコという点で、女性に対してのみ効力を発揮する感じがする。
もちろんネコが人間にイメージさせやすい、妖艶な雰囲気を持つ男性もいる。
しかしこのフレーズは、この長い人類の歴史の中で、女性(とドラ猫)に対して使われた回数が多すぎるのである。
もはや、男性に対して使われた場合に生じる違和感を消し去ることはできない。
このような背景より、一般的な罵倒フレーズは今回のシーンに使うことができないはずだ。
なんて言ったんだろう・・・。
イブなのに、そんなことは考えたくないよ・・・。
つづく。

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