町内会で行われる催しに、なんとも言えない哀愁を感じるのは、僕の住んでいるこの町が、僕を受け入れてくれていないということなのだろうか。
人によってまちまちだろうが、僕はそう感じる。
家の前を、軽トラが走る。
スピーカーがうなる。
「?会館では、11:00より掃除があります。」
まぁ、そら掃除せんとね。
「掃除後、おにぎりやビール、おつまみが出ます。」
さる→バナナ
うま→にんじん
ねこ→カルカン
的なものを感じずにはいられないが、そりゃ掃除を課すんだもの。
しょうがないよね。
「あ、すいません、おにぎりや生ビール、おつまみが出ます。」
僕は今まで、ビールと生ビールの差を全く意識せずに生きてきた。
お酒好きな人にとっては重要かもしれないが、僕はそうでもない。
「ビール→生ビール」の言い直しが、どれほど会館に殺到する人の数に影響するのか、分からないのだ。
でも、確かにお店でビールを頼むときは、決まってみんな「生4つ」とかいう。
やっぱり生が好き。
なにか、「生」がついているほうが「みずみずしさ」を感じるし。
色々考えてみよう。
「掃除後、生おにぎりが出ます」
確実に生米をかじらせようとしている。
「掃除後、生おつまみが出ます」
なんか、あらぬ方向性アップだ。
「掃除後、生柿の種が出ます」
掃除のあとの植樹。
「生子供も参加できます」
今まで、子供は全て生子供だと思っていたが。
しかし、火が通っちゃってる子供って、確かにいるよな。
・・・なんか、いろいろ考えちゃだめだ。
「生」は、ビールにつけなくちゃダメだったんだ。
付け忘れた「生」を、ちゃんと言い直す町。
そんな町が、僕は大好きです。
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オレはビールが飲めないので生はピンときません。
でも、生娘(きむすめ)なら、ピーンとくるオヤジです。
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いや、奇遇ですな。
実はわたしも。