客席もほぼ埋まり、後は陽水氏(養命酒みたいだ)が出てくるのを待つのみだ。
騒がしい客席も、養命酒が出てくれば静まるだろう。
定時になり、大きな音でブザーが鳴る。
かなり長く。
「始まるから、お前ら静かにしろ」という意味だろう。
そんな中、前の席のおやじが、よほど何か喋りたいことがあるのか、ブザーに負けじと大声で何か言っている。
会場を静まらせるためのブザーに、あくまで対抗するおやじ。
ブザーはおやじに気付き、さらに音量を上げたいところだろう。
そして、伝えたい言葉を伝えたい相手に伝えるため、さらに声高らかなおやじ。
相乗効果である。
ブザーの大音量に混じって「若い人が少ない」旨の会話が聞き取れた。
「一役買っているお前が言うな。」は、ブザーの前に掻き消えた。
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ブザーには、「おまえらこれからしばらく喋れったり、セキしたり、イビキかいたり、オナラしたりできなくなるからしとけ」という意味も含まれているのです。
存分にするべし!
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確かに、おじさんたちに対して「セキしたり、イビキかいたり、オナラしたりするの禁止」というのは、辛いものがあり、無理な相談だ。