とある夜。
とある建物から出たいと思った僕は、塀の前に立っていた。
そこは正門にさえ行けば、どんなに深夜でも通過できるのだが、いかんせん遠いのである。
※駆け落ちした妻のお母さんが病気になってしまい、もう長くはないとの連絡が来たのが、土曜日の明け方だった。
「どうしても私達夫婦のことを見てもらいたい」と、妻が15年ぶりの帰郷を望む。
「あれから、ほとんど連絡してなかったっけ。」
電話があっても、あまり取り合わず、ないがしろにしてきたお義母さん、お義父さん。
駆け落ちだから、という負い目もあるけど、いい機会だ。会いに行こう。
こういうときの、妻の実家と私(夫)の距離くらいに、遠い。
したがって、めんどい輩は塀を乗り越えて外界へ行くという手法を取るのだ。
※上記の例でいうと、頻繁にメールのやり取りをする感じ。
もちろん僕もそう。
徒歩で正門に向かうくらいなら、足をくじいた方がマシだ!!、と思っている。
※上記の例でいうと、野球クラブに入ったはいいが、どうしても行きたくないときに、わざと布団をかけず、お腹を出したまま寝ようとする感じ。
ということで塀の前。
なかなかに高いんだ、これが。
※上記の例でいうと、網走での日々。
でも、慣れているので大丈夫。
その日も、塀に手をかけ、颯爽と飛び越え、警官の前に着地した。
警官。
何の因果か。
巡回中のおまわりさんの前に着地してしまったのである。
たいていのシーンで、間が悪いことをしてしまうと感じている僕だが、このときばかりは自分を「天才かも」と思った。
観客がおまわりさん2人だけというのが、癪だったが。
深夜、塀を乗り越えてきたサンダル姿の僕に、おまわりさんの一人が
「きみ、とりあえず怪しいよね。」とたずねた。
僕は「そうですね。」と答えた。
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人を見かけで判断するなというけれど、やっぱり判断してしまうのです。
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気分的には、
「すわ、闇討ちか!?。」
とか言ってほしかったです。
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すわ
とか、ホントもう久しく聞いてない。
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一回も聞いたことない・・・。
カルス氏は久しい前に、聞いたらしいが。