?「君はどうして、そう沈みがちな性格なのだね?。」
「どうも、生まれてこのかた変わらないんですよね・・・。」
?「ちょっと、モグラ君の時間を取っておいてあげたから、アドバイスしてもらいなさい。」
「こんにちは。」
モグラ「君か。沈みがちな人というのは。」
「なかなか治らないんですよ。」
モ「それはそうだ。人間誰しも少なからず、そういう性質は持っているよ。」
「と、いうと?。」
モ「人間は地上をうろつくだけだから、上とか下とかに対する考えがどうしても希薄なんだよ。」
モ「その点、俺達は地中を自在に動かなくちゃいけないからか、上昇志向というか、そういうものをコントロールできるんだ。」
「上に行くときはどういう風に?。」
モ「カンタン。土というものがあるから、それをかきわける力があれば、上も下も行き放題だ。」
「モグラさん。モチベーションの維持って、どうしてます?。」
モ「俺らは食べることが生きることだから。そこを約束されてることが、維持に直結しているね。」
・・・
彼が、給料の代替として会社敷地の地下占有権を獲得したことを思い出した。
僕はその地下占有権を獲得したかのように、沈んだ気持ちになった。