前のつづきなので、そちらから。
早朝、研究所の一室を改造した被験者室から出てきた私を、待っていたとばかりに所長が笑顔で迎えた。
「結果が出たよ。君は帰っていいよ。」
どういうことですか?。
「君は天涯孤独じゃない。今は鎖が一本、ジャラジャラいっているよ。」
・・・そうですか・・・。
・・・2つ、聞いていいですか?
実験というのは?。
「昨日の朝刊、ネットを使って、君がやっている慈善事業を特集した。それだけだ。」
そうですか・・・。
で、僕の鎖の先は?。
「それは個人的な話になるだろう?。わからないよ。」
「で、だ。この調査の御礼として、これを受け取ってほしい。」
そう言われて受け取ったのは小さな箱だった。
振ると、かたかた音がする。
これは?。
「今、君が一番ほしいだろうものだ。」
・・・。
「大丈夫、副作用はない。たぶん。」
研究所を去るとき、所長が駐車場まで見送りに来てくれた。
どうもありがとう。
「いや、こちらこそ。いい研究ができた。」
さて、僕はこれから、そっと鎖をたどらなくては。
「所長。所長が今朝出された調査報告書と、彼の「鎖」の数が合いませんけど?・・・。」
?「わかってる。」
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正直に言おう。
真意を読み解けなかった。
分かったのは箱の中身が婚約指輪だということだけだ。
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婚約指輪?。
そりゃー副作用ありすぎである。