木村

ここ数年の間に、めきめきと「近所のたこ焼き」がうまくなってきたような気がする。
なぜなんだ。
以前は作り置きで蒸気をふんだんに取り込み、煮過ぎたがんもどきのようになっていたものだ。
しかし今では、たこ焼きを専門でやっていないフードコードのひと店でも、すごくおいしいたこ焼きが供される。
思うに、銀だこの影響がかなり大きかったのではないかと推測される。
ただ、一方で「おいしいたこ焼きの作れる機械がリーズナブルな値段で提供されてきた」という理由もありそうだ。
まあどちらにせよ、蒸気を吸い取りまくった、キムコのようなたこ焼きはもうあまり見かける事ができない。
それを懐かしく感じないわけでもないのである。
それにしても、僕はよく「キムコ」を思い出す事ができた。
使用した事はないが、確か脱臭目的で冷蔵庫に忍ばせる商品名だった気がする。
あと、小学校に「キムコ」というあだ名の友達がいたような気がする。
おそらく「木村某」。
あなたの身近にもいなかっただろうか、「キムコ」。
それも、懐かしく感じないわけでもないのである。

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