なぜか台北 その20

【あらすじ】
台湾旅行。
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その夜市は台湾で中くらいの規模であるらしいのだが、そんなことは感じさせない人口密度。
2車線ほどの幅の道路両脇に店。
中央に店と、人が店にサンドイッチされた状態で歩いていく。
そんなに混んでいるのに、売っているものはアクセサリや衣類そして食べ物と、弁償フラグが大いにふるっているがおかまいなし。
お客さんは思い思いにジュースや食べ物を口にしながら夜市内の不快指数を上げている。
僕はカリスマに遅れないように付いていく。
あるところでは、よくわからないジュースを飲んだり、あるところではアクセサリを見たりしている。
僕は正直変な帽子を探すため、衣類店のマネキン上部ばかりを見ていた。
ハンバーグの生地のように濃密な空間を一通り抜け出した。
僕は要所にあった「豆腐よう」の店が気になっていて、それを食べたい気もしたが今日は暑い。
さっきジュースを買わなかった僕は、何か冷たいものを食べようと思いながら来た通りの逆側をさかのぼる。
するとフルーツを売っているおばあさんの店があった。
パイナップルやマンゴーが適当な大きさに切られて氷上に置いてある。
僕はこの手の店を、この夜市でいくつか見出していた。
そして気になっていた。
よくわからない果物の事を。
なぜか他の果実よりも幾分か高い金額を請求され、これは地元の人間ではない事がばれてしまったか。
変な帽子をかぶっているからかと残念に思いながらも購入。
そのよくわからない果実は、ちょうど小さいりんごのように見える。
購入の際、ノリのいい地元の人が僕に「タイペイアップル、ベリベリナイス」と言っていたところをみると、やはりりんごに近いものであるらしいこと。
そして地元の人間ではないことがばれてしまっていることがわかった。
程よい大きさに切られたそれを口に入れてみると、冷えたりんごのようでおいしい。
いや、むしろナシに似ているだろうか。
ほらこれ、変な果実だけどおいしいよと勧めてみると、周りの人は少し不安そうな表情。
そうだ、一応生水的なものの注意がなかったわけではなかったのだ。
これで他の人に迷惑をかけては悪いと、勧めるのも程々にしたのと同時に、期限切れを気にされる程度のパスポートのことを思い出す。
これで中毒なんかになったら大変だ。
いやしかし、普通にみんな食べてるじゃないか。
そんな考えが混ざった結果、僕はとにかく少ない時間でそれを食べ尽くしてしまった。
3秒ルールというのはどこから3秒なのかを考える必要もあるが、まずは心持ちが重要なのだから。

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