【あらすじ】
台湾旅行。
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以前も触れたが、飛行機の飛ぶときの加速っぷりが苦手だ。
あのくらいの重量のものが揚力を得るには、あんなに加速しなければならないのか。
何か、無理をしている気がするのだ。
しかし飛んでしまったかぎりは、その加速を維持してもらいたい。
機内に設置されているシンプルなゲームや席間通信機能をほどほどにいじり、手持ちぶたさになる。
モニタで確認すると、東京付近から放物線でつながっている台湾はそれほど遠くは感じず、ただ機内に絶えず流れる「コー」という音がその遠くなさを実現しようとしているのかと、まあ暇になってきた。
映画はどうだ。
日本にかぎらずアジアな映画も見られるようでいいのだが、僕はブログのネタでも考えようかとメモ帳を手にしている。
今、そのメモ帳を見るとただ一言「チキンない」と書いてある。
これはどういうことかというと、何かの隠語でも度胸のことでもなく、機内食の「チキン or すきやき」の選択肢が択一になってしまったことを意味している。
要は、僕の順番のときにチキンがなくなっていたのだ。
僕だけではない。
あたりはチキン難民にあふれている。
そうか。
あまりすきやきは人気ではなかったのか。
飛行機とすきやきということで、何となく感慨深いことにもなりつつ、案外おいしいそのすきやきを堪能した。
それにしてもチキンの方はどうだったのだろうか。
おいしかったのだろうか。
この高度と速度では、どう駄々をこねてもどうすることもできないから仕方ない。
少しバードストライクというものを思い出したが、こんな高いところでそういうことがあったら、それはバードじゃない。
それはUFOやスペースフラッターか何かで、とにかくチキンではない。