珈琲十連・囀石の理

場所によって違うのだろうが、喫茶店というのはたいてい静かで、当然そんな中で人々はこそこそと話す。
「おっちゃん、とりあえずコーヒー」
「ぷはーッ。おっちゃん、同じものをもう一杯」
あまり聞かれない。
一般的には、コーヒーは爽快感を味わうための飲み物ではない。
一方、なにやらかしこまって飲むものでもない(と思ってる)が、上記の例ではやはりおっちゃんではなくマスター的な人に登場してもらいたい。
そういった点で、豪快さを欠く飲み物なのである。
と、ここで気になるのが「豪快な飲み物」であるが、これはまずビールは外せないだろう。
それを踏まえ、以下に思いついたものをランキング形式であらわしてみた。
?豪快な飲み物ランキング?
1.生がき
2.咳止めシロップ
3.ビール
4.どぶろく
5.かにの甲羅酒
6.ホースから出る水
7.バリウム(バニラ味)
8.生き血全般
9.直樽ワイン
10.リポビタンD的なやつ
思いのほか「飲み物」が少なかった。
ただそれは、言いかえると「飲み物は豪快さばかりを目指しているわけではない」ということ。
コーヒーもそれにあたる飲み物なのである。
そしてそれを飲む場、喫茶店が静かでこそこそなのは、まさにそこがコーヒーを飲む場だからだ。
しかし、喫茶店特有の環境にはもうひとつ、特徴があるように思う。
饒舌。
みんなこそこそと饒舌のような気がする。
あれは一体なんなのだろうか。
店内が薄暗いから、みんな興奮するのだろうか。
それともコーヒーの例の成分のせいだろうか。
久しぶりに会う人ばかりが訪れるのだろうか。
こそこそと饒舌。
もしかしたら、ランキング2位のやつでも類似したことになるかもしれないが。
他ではあまり見られない状況だろう。
そしてそれは楽しい状況であることは間違いない。
本を読むフリをして聞き耳を立ててると、案外面白いのだ。

「珈琲十連・囀石の理」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    さすが!ウマイ!
    生がきもいいけど、バリウム(バニラ味)にグッときました。
    そうそう「レモン500個分の犬養毅」に千点!

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    個人的には「生き血全般」はもう少し上位のような気がしますね。
    犬養毅についてですが、これはレモン、犬養毅、どちらに悪いのかが未だにわかりません。

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