昨日からの流れ。
人にとって、戻りたい過去はたいがい中学生、高校生の頃となる。
ということで先日は中学生活の悲しい思い出。
本日は高校生活最後の日の、フィクション。
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「あおげば うとうとしって、俺は夏の縁側でうちわ片手に微笑む母親に抱かれた赤子かよ!!」
これでまた1週間の停学だぜ。
卒業式リハーサルはこの事件で中止、リハーサルなしで本番を迎えることになった。
いいじゃねえか。
本番は、卒業証書受け渡し場所間近で牛歩戦術的大渋滞を引き起こしてやるぜ。
停学中の1週間、ずっと花屋に出向いてドライフラワー用土台「オアシス」に指を突き刺すイタズラをしてやったぜ。
ざまあねえや。
卒業式当日。
俺が何かしでかすんじゃないかとの不安を払拭するためか。
教師達が円陣を組んでいやがる。
「おまえらは子うしを守るジャコウウシの群れか!!」
円陣全体がびくっとした。
さて、何事もなくというか、俺が何もしないから式は順調に進んだ。
しかし気づいたのだが、校長がいない。
そういえば、今日、見かけない。
どこに行ってるんだ。
そうこうしているうちに卒業証書授与のコーナーになった。
そうすると驚いたことに、円陣の中から校長が出てきた。
「当たらずも遠からずか!!」
教師の幾人かはえへへ顔だ。
ざわついた場内も静まり、授与は行われることとなった。
しかしここで、かねてより計画していたイタズラが、既に頓挫していることに俺は気づく。
まず、授与3人目の青井が牛歩しだしたこと。
この学校のカリキュラムに納得いかなかったのだろうか。
素晴らしくいやがらせだ。
しかし、それは俺がやろうとしていたこと。
これじゃ、俺の牛歩が目立たないじゃねえか!!。
そしてもうひとつ。
俺の授与は最後だということ。
クラスも最後、苗字も最後。
どう考えても、影響度低い。
目立たなくて影響度低いってのは、合コンで数合わせの男がパンツを新調して来たとか、そういう感じなんじゃないか!?。
あるいはヘキサゴンIIでダンディがいるときといないとき、そういう感じ!?。
もしくはほんの少し余っていたからと、ビーフカレーに入れられた豚こま切れ肉、そういう感じ!?。
やられてしまった。
もう、イタズラの手の打ちようがねえや。
21時。
「卒業おめでとう」と差し出された証書を両手でもらった俺は、誰よりも颯爽とステージをあとにした。
悪い気はしなかった。
もうここには戻ってきちゃだめだってことがわかると、寂しくなった。
「おおげば とおとし」。
良くも悪くも教師を尊ぶ歌。
俺は最後の気持ちを振り絞った。
「和菓子の怨って、誰だ誰かの芋ようかんに手を出したのは!!」
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中学時代を読んで、高校時代を楽しみにしてました。ウヒョー!スゲーカッコイイ!
お主もワルよのぅとコメントしようとしたら、あらー!「ノン」ではなくフィクションだった!ばか~ん、オレ。
しかも、最後の言葉の意味がわかりませんでした。でも、牛歩にギュッときました。
前の「食べ過ぎ夫婦」にもドキッとして、タベッとスギッときました。
こんな困ったオレを神達に相談したいです(神達コーナー、好きなのです)
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>>中学時代を読んで、高校時代を楽しみにしてました。ウヒョー!スゲーカッコイイ!
本当の高校時代はまあ、こうではなかったですね。
>>しかも、最後の言葉の意味がわかりませんでした。
「和菓子の怨」のくだりは、仰げば尊しの歌詞「我が師の恩」です。だじゃれっス・・・。
>>前の「食べ過ぎ夫婦」にもドキッとして、タベッとスギッときました。
ちなみに、この夫婦の会話が「食い気味」ということでそんなタイトルに。
>>神達コーナー
僕が楽をしたいときに、神たちが助けてくれる感じです。