酒を飲まない人間にとって、ビールへのこだわりを説いた姿勢というのは、時として奇妙だ。
例えばCMで、原料となるホップや水をこだわりぬいたことが、がっつり語られたりする。
もちろん悪いことは何もないのだが、その熱烈な口調を聞いて「ちょっと、落ち着けよ」と言いたくなる気もする。
おいしいかもしれないけど、こだわりぬいたかもしれないけど、とりあえず嗜好品じゃないか、と。
ただ、ビールを飲む人にとっては、そのこだわりがダイレクトに味を左右している要素であるため、彼らとしては、その辺はメーカーさんが自信ある分だけ高らかであればいいさ、という考えのようだ。
ただ、この考えは嗜好品の中でも酒に限ったものと言える。
酒と同様、嗜好品であるタバコについて考えてみよう。
「高級たばこ使用、活性炭フィルタ装着、選び抜かれたわら半紙で包みました。」
どうだろうか。
タバコは健康を害するイメージがかなり高いことも手伝ってか、何言ってんだの傾向がビールのそれとは「だんち」ではないだろうか。
また、ビールを高級にするため、選りすぐりの原料が使用された場合、それでできるのはビールである。
一方、タバコを高級にするため、選りすぐりの原料が使用された場合、それでできるのはヘタすると葉巻になってしまう。
偏見かもしれないが、日本で葉巻というと、ギャグ方面に片足つっこんでいるので、その点でもタバコはいまいち「こだわれない」嗜好品なのだ。
その点、冒頭のビールに代表される酒類は、こだわりを全面に押し出していける嗜好品のようだ。
なんとか天然水を使用することは当たり前のようであるし、製造法からグラスへの注ぎ方まで研究されまくっている。
本題
「こだわり」ってものは、きりがない。
いい水使った。
いい麦芽だ。
でも、まだ「こだわれてしまう」。
きりがないなりに、色々こだわってみよう!!。のコーナー。
次回。