アリジゴクというのは、よく神社の縁側下の砂地に穴を掘っただけの巣を作る、ウスバカゲロウの幼虫である。
彼らがアリにとっての地獄であるならば、人間はあらゆる生物に対しての地獄である、というのは少々卑下しすぎだろうか。
どこかの港町に行って、水槽に沈められたたくさんのカニを見ると、ああ人間というのはヒト科ヒト属のカニジゴクという種なのだな。
そしてそのカニジゴクっぷりをカニに見せてくるわけだが、アリジゴクの(アリに対しての)地獄っぷりに対して、この港町で見られたカニジゴクの(カニに対しての)地獄っぷりというのは、結構様相が違う。
即ち、カニジゴクはアリジゴクに対して比較にならないくらいの積極性をもってカニを地獄に落としている。
待ちではなく、狩りに出ているのだ。
地獄にはかなりの種類があると聞くが、このカニにとっての地獄は、だいぶ深いほうの地獄だろう。
先日、鉄腕DASHでカニを食べているのを見て、あれだけ大きくなるのにはだいぶ年を経たはずだ、かわいそうだな。
と思ったり、さて今度久しぶりにカニに地獄を見せてやろう、と思ったり。