差し引き

運転中に「色あせた若葉マーク」を見かけると、何か引っかかるものがあるのか。
そのことばかりを考えてしまう。

何なのだろうか、あの感じは。
久しぶりに物を口にしたときの、歯の奥の方がいたたまれなくなる感じ。
たまたまご飯を食べていなかったあとの、かぼちゃを甘く煮たのを食べたときの、顎がより、かぼちゃを強く噛もうとする感じ。
夜に食べ放題に行くときための準備をしている状態のときの、空腹しのぎのガムを噛んだときの、指先がぴりぴりする感じ。

上記2つは歯が疼いているのだろうが、不思議なのが「指先がぴりぴりする」感じだ。

他の人はどうなのだろう。
久しぶりに何かを食べたとき、指先がぴりぴりするのだろうか。

歯の神経が指先に何かを伝えるのだろうか。
指先に歯が伝えたいのは何なのだろうか。

これ、おいしいから次もよろしく。

これが、一番ありえそうなことだ。
でも、歯自体は味がわからない。
そうなると、歯の「噛んだこと」の伝えに加えて、舌の「おいしい感じ」や視覚の「食べ物の認識」などが合わさって「これ、おいしい」となり、それはたぶん脳に行くのだろう。

そのシグナルの、余ったもの、余韻なのではないだろうか、指先のぴりぴりは。

そうなるとわざとらしく話を逸らした「色あせた若葉マーク」と「余韻」というものは、主にノスタルジックな感じのやつでうまくまとめられそうな気もするのだが、たぶん僕が引っかかることは、そんなことではない。

「若葉マークを買い直すことは、けっこう面白い」

これだけ。
これだけである。

鵺子

グリフォンは「タカだかワシの上半身」に「ライオンの下半身」がついたような姿をした怪物だそうだ。

そうですかという感じだが、困ってしまうのがその系列にいるやつ。

「ヒポグリフ」というそれは、生まれも諸説あるらしいが、とりあえずグリフォンと雌馬から生まれたであるとか、グリフォンのメスだとかいうやつである。
そして容姿は「タカだかワシの上半身」に「雌馬の下半身」ということで、なぜかライオン要素が消えてしまっている。

となると、もしグリフォンの繁殖が雌馬だけに依存するのだとしたら、どんどんグリフォンは減っていきそうである。

もちろんヒポグリフと雄ライオンの交配が期待できるなら、それでグリフォン生まれます、ということもありえそうだが、どうだろう。
雄ライオン、なんか分が悪くないだろうか。
ちょっと難しいのではないか。

そんなこんなで、グリフォンは一見減っていくはずだ。
しかしそうではない(そもそもいないが)のだとすると、表現型としてライオン要素は馬要素に対して劣性なのだろう。

要はABO式血液型におけるO型の感じで、「一見A型だけど、実はO型も持っている」。
馬要素のない遺伝型になった時、はれてライオンが出てくるのだろう。

ライオンはO型だったのか。

ところで、なんでこんなことを書いたのかというと、なんで「ヒポグリフォン」じゃないのかということを書こうとしたら、すでに多くの人がそれに疑問持っているらしかったからで、話題を無理やり変えてみたのである。

追記
人間にあてはめたら、ライオンはY遺伝子、馬部分がX遺伝子ということでよさそう、ということにいまさら。