【あらすじ】
台湾旅行。
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「北竹」駅は簡素ではあるがちゃんとした駅があり、改札を抜けるとまさに駅前といった感じで細かく建物、店が並んでいる。
駅を出てまっすぐ歩いていくと十字路があり、左右を眺めてみると企業所有のビルもあるようだ。
しかし所々に古い感じの家があるため、一概に「いやあ何もかんも都市だね」とは言えない。
そんなところである。
お腹が減っていた僕は何か食おうと、3時間ほど前の台北から思っていたのだが、なぜだろうか。
お店のほとんどはまだ開いておらず、たまたま開いていても準備中らしい。
休日だからだろうか。
ともかく食べ物が全ておいしそうな台湾において、まさかの朝食難民となってしまった僕は、それでも適当に決めた方向へ歩いていく事にする。
町並みには「これ、台湾っぽい」という感じの建物はなく、ともかく日本のどこかローカル線駅の雰囲気。
では「これ、台湾っぽい」建物とはどういうものなのかは僕の中にもないが、ともかく変哲の無い風景である。
駅前の十字路を左に曲がって、どんどん進む。
暑い。
しかしお店が、コンビニもない。
しかし交通量は多く、車とバイクが風を作る。
それをだらだら歩きながらも、ひとつ気づいた事があった。
歩道というか、歩行者専用の領域が、僕の歩いている道にないみたいなのだ。
僕は当然道の端を歩くのだが、そもそもそこと自動車の走る領域のへだたりには白線ひとつ存在せず、前後の自動車事情を確認してから僕は行動する、というシーンばかりなのだ。
まあそんなものかねと歩いていくと、コンビニを見つけた。
これ幸いと飛びつく。
店内はすこぶる涼しく、僕は何か食べ物をと思った。
しかし、ここであまりにご当地っぽくないお菓子なぞを食べても、何か負けた気がする。
それくらいならここは我慢をして、ホテル周辺の屋台で食べるべきだ。
そう考え、僕は「ファンタを目指しました」という感じの飲料のみをレジに持っていく。
若い女性の店員さんは、なぜかアイスクリームを食べながら会計をしてくれる。
現在、北竹で一番良かったイベントは「コンビニの店員さんがアイスを食っている」である。