【あらすじ】
台湾旅行。
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松山駅で行く先を決め、心落ち着けたのまではよかったのだが、結局切符の買い方が分からない。
字が読めないというよりは、なんかボタンの数が多いのだ、日本のより。
確かに、それらはカテゴリ分けされているらしく、さらに上部のカテゴリを選択すると次のカテゴリ部分がひかり、ここを選んでねという優れたIFを示してくれる。
しかし困るのが「自強」というボタンが象徴的なカテゴリのところで、ここが何を示すものなのかが分からない。
何なんだ「自強」。
僕は小声で「なんなんだじきょう」と何度も口にしたがもちろんそれで何かがわかるわけでもなく、ただこのカテゴリで一番読みやすいのがこれだという理由のみで、自強の樹林行き切符を購入してみた。
切符は日本のそれと同じような大きさで、内容もしかり、のよう。
ともあれ切符を手に入れた僕は電車乗り場に向かい、また困る事になる。
どこのホームに「樹林」行きの電車は来るのだろうか。
松山駅には4つほどのホームがあり、その見てくれはきれい。
しかし松山駅初心者の僕としては4つもホームはあってほしくない。
行き先看板を見ても矢印などの分かりやすい表記は見つからず、僕はホームを行き来するメッセンジャーにようになってしまっていた。
もちろん、ホーム間の誰に対してもメッセージを告げ合うことのない、白紙のメッセンジャーである。
彼は、思いあまって駅員さんに切符を見せる。
白紙に「あっちのホームだよ」と初めて文字が入る。