【あらすじ】
台湾旅行。
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夜市は非常に楽しかったが目的の帽子はなく、豆腐ようも食べずじまい。
ホテルの場所に自信がなかったのでみんなが帰るタイミングで切り上げとなった。
奇妙な果実という、ジャズ的あるいはMP上限増えそうな食べ物以外を夜市で食べなかったため、何となくお腹がすいている23時30分。
周辺にはコンビニが数件あり、その点はどうにでもなる。
一旦部屋に戻った後、一人で外を出歩いた時、空港で話題になった「このホテルが幽霊ホテル」という話を思い出した。
なぜ思い出したかというと、ホテル前の広場ベンチに何かが置いてあったからだ。
一見、ゴミを入れた袋みたいなのだが、見ようによっては首のない人にも見え、少し驚いたのだ。
確か、昼間ここでは掃除をしている人がいた。
そのゴミのような気もするが、ゴミをベンチの上に置いていくだろうか。
そもそも人にも見えるくらいだから、かなりの大きさなのである。
何よりも、夜とはいえメガネをかけてよーく目をこらしているのに、それが何なのかがわからないのである。
だが、お菓子を見繕うとしている人間にとって、それはあまり関係がない。
興味がない。
こちらに仇をなさぬのであれば、ゴミとて幽霊とて一向にいてくれてかまわぬ。
お菓子が欲しいのだ。
お菓子を買ったり、人の部屋に行ったりして、再度部屋に戻る頃にはもう午前2時頃。
相部屋の、ビルマの竪琴の日本に帰らない方の人はもう寝ており、僕もスライムつむりのレベル上げを早々に引き上げ、それに習う事にする。
明日はいよいよ、予定の全くない1日だ。
全てを帽子と適当な行動で占めてみようと思う。
ベッドは思いのほか広くて間隔も開いており、僕なら両手を広げても誰にも迷惑かけない。
両手を伸ばして目を閉じる。
これで明日の朝を迎えられたら、「空を飛ぶ時、両手を広げて飛ぶタイプの人間」と名乗っても良さそうである。