先日も触れた怪談のアーカイブで、気に入っている話がある。
それは「オサキ狐」というもので、まとめると「キツネのようなものが、やかんや家具をくわえてたくさん走っていた」というもの。
調べてみると、オサキは家や人に憑くということらしく、それは物を持ち運ぶとのこと。
オサキの憑いた家には、なぜか物に困る事はない。
そんな、今で言うところの「パパに貢いでもらってる」的な生活スタンスを昔の人はそう考えた。
あるいは裏家業で栄えたことを、モーラー的なテクニックでごまかしました。
そんな背景がオサキにはあるのだろう。
それにしても、「キツネのようなものが、やかんや家具をくわえてたくさん走っていた」という映像がかなりいい。
その怪談では、栄えていた家から逃げ出したのではないかという、福の神的な一面を取り上げていた。
確かに、家の床下から「キツネのようなものが、やかんや家具をくわえてたくさん走っていった」のを見たら、ああなんかだめだねという気がしてくるから不思議なものだ。
「マンションの4階エレベーター前に、キツネのようなものが、やかんや家具をくわえて待っていた」だと、ああ4階の誰かのうちから福が逃げて行くんだな、という気がしてくる。
どうにかなだめて戻ってもらうようにしたくなる。
「会社から、キツネのようなものがストレージをくわえてたくさん出てきた」
これはちょっと、セキュリティ関連のCFになりそうなくらいだ。
「火事の時、キツネのようなものが妻をくわえて出てきた」
「火事の時、キツネが妻のようなものをくわえて出てきた」
「火事の時、妻のようなものがキツネをくわえて出てきた」
すっごいお腹が減ってきたので、楽しました。