寒いときに、人は「しーっ」っと音を出す。
そう言ったら、一体どれほどの共感を得られるだろうか。
しかし僕が見たところ、男性の多くが何か喋る直前に「しーっ」と音を出している。
例:
「しーっさぶっ!!。耳さぶっ」
言葉というよりは、息を吸うときに空気道(憶測)を舌で70パーセント(憶測)塞ぐことで発する音のようだ。
あれは一体何なんだ。
一方、この音は「許諾しがたいが、仕方なく認める」というときにも発せられることが、なんとなくわかった。
例:
「しーっそう、です、か・・・。では奥様は教会、旦那様は神社で式を衛星中継で同時進行、ということにいたしましょう」
このとき、「しーっ」と次の「そ」は交じった感じにすると、苦渋の選択感を出す。
この「しーっ」は、国語としては何詞になるのだろうか。
もしかしたらカテゴリがないかもしれないが、僕が思うにこの「しーっ」は「いきなり喋るのがためらわれるときに、最初に置かれるもの」であるような気がする。
いきなり「さぶっ」というと、空気道が寒さでやられてしまうのである。
すぐに「そうですか」というと快諾感を相手に与えてしまうのである。
「しーっさぶっ!!、しーっじゃああつあつのおでんを、後ろにいる手探りの人にとってもらいましょうか」
この場合、帳消しにできないだろうか。
「しーっ、しーっ」
この場合、彼が安心できる場所に連れて行くことはできないだろうか。