夢なら崖を、見下ろすことも。

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2012年カレンダーの回想です。
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「思い出深い夢」というものはありませんでしょうか。
僕にはいくつかあって、多面体のなかにいたり、夕暮れ時の田んぼを歩いたり、階段のすごく長いデパートにいたり、ヘビに追いかけられたり。
いろいろあります。
カレンダー8月のなかで「これは夢で見たいなあ」というものを挙げるとすれば、27日。
「40代くらいの男性が駅前でひっくり返って「ライ麦畑でつかまえてー!!」と、だだをこねています。」になるでしょうか。
当たり前のごとく、あくまで「夢でみたい」という感じです。
実際は見たくありません。
彼がだだをこねている理由はいくつか考えられます。
口にしている作品が多くの若者に影響を与えたものですから。
しかしここは、それを見ている人に沸々とわき起こるある感情に着目したいところです。
すなわち「なら、ここじゃないよ」です。
だだをこねている男性。
「ライ麦畑でつかまえてー!!。ライ麦ー!!」
それを見ていた駅員さん、周りの人はこう考えざるを得ません。
「ここじゃないところに行くべきなのに・・・」
「ライ麦畑へ行くべきなのに・・・」
しかし男性がだだをこねるのも無理ないかもしれません。
それは「ライ麦畑でつかまえてもらう」ことが難しいからです。
まず、日本に「ライ麦畑」はあるのでしょうか。
僕はよくわかりません。
そもそも「ライ麦」とは何なのでしょうか。
僕はよくわかりません。
そしてそのよくわからない「ライ麦畑」には、人はいるのでしょうか。
男性の手を強くにぎって、つかまえてくれる人が。
などという触れ方はもう、だいぶ恥ずかしい「ライ麦畑でつかまえて」。
夢の中ということなら、せめて男性の近くで転びそうになることもできそうなものなのですが。

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