=====
2012年カレンダーの回想です。
=====
思っている事を的確に伝える能力は重要だが、なかなかうまくいかない。
あるいはおろそかにしてしまう事が多い。
そう考えると、4月23日の「あなたを恨んでいる人が、丑三つ時にわら人形を五寸釘で、あなたの額に打ち付けようとしています。」は、ぱっと見のありきたりな感じ以上のものを持っている。
しかし、それを「呪い殺したいという気持ちを、的確に伝えている」と勘違いしてはいけない。
これだって、的確に伝わっているとは言いがたいのだ。
「わら人形が、あいだにいる」
的確でない理由だ。
もちろん、ここでの的確は「相手の額に直接五寸釘を打ち付けること」だろう。
もう、的確直接もいいところである。
しかし上記の行動では、わら人形があいだにいる。
わら人形経由での思い、とでもなるだろうか。
そして見た目がいくない。
ちょっとギャグすぎるし、打ち付けられた側も鼻がかゆくなりそうだ。
しかも恨んでいる人は、そのあと打ち付けたわら人形に、相手の生えてる髪の毛を一生懸命入れ込もうとしたりするだろうから、いくない。
そもそも4月23日のネタには、いいところはない。
例えば「木の後ろに隠れていた彼が「ここだよ!!」と出てきたちょうどその時、彼女がその木に彼のわら人形を打ち付けようとしていた」なんて奇跡が起これば、いいだろうか。
そして木に打ち付けるか彼に打ち付けるか、一瞬迷ったりする。
それがいいのだろうか。
いや、いくない。
「呪い」にいいことなんかないはずだ。
僕だって、自分の事どうこうで、穴は一つたりとも掘りたくはない。
思っている事をどうにかしてでも、的確に伝えるほうを選ぶ。