昨日からのつづき。
【概要】
***口頭に向くやつのあけぼの***
大昔、人々はしゃべることで人をおもしろがらせる、いわゆる「口頭に向くやつ」を手に入れるどうこう以前に、そもそもしゃべることが出来なかった。
***初歩的な口頭に向いてるやつの発祥***
哲学者が大声で「おつかれさまでーす」と言ってみたところ、くたびれた格好のくせに何言ってんだ、と受けた。
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***初歩的な口頭に向いてるやつの例***
何はともあれ、言葉がおもしろがらせる要因となることを発見した哲学者エトークは研究を重ね、現在の口頭に向いてるやつの基盤となる法則を発見した。
「写実主義」
驚くべきことに「口頭に向いてるやつ」は、美術、文学などの芸術がたどってきた流行、風潮の変遷と似ているところがある。
冒頭の「おつかれさまでーす」も見た目そのものがおもしろさの起因となった。
エトークは現実そのままを言葉にすることが、おもしろがらせることであるとした。
「右手に持った携帯電話を、左に耳にあてていますね」
おもしろくしようとした人の動作をそのままに言葉に表すことで、「口頭に向いてるやつ」に見事変換できた、写実主義初期の口頭に向いてるやつである。
「そんなところに立っていては、クイズに間違ったときに床が開いて落ちてしまいますよ」
上記のものと同じような変換が行われているが、さらに冷静さを持った言葉にすることでおもしろさを増した例である。
「この、イカリングの鎖を、どのように作ったのか教えてください」
変換は完璧なうえ、本当にどう作ったのか知りたくなるような題材にまで昇華されている例。
「口頭に向いてるやつ」の写実風潮は、大いに流行した。
しかし、その歯に衣きせぬ言動は、時として人間関係を悪化させる原因ともなった。
そんななか、あまりに直接的な言動に飽きた若者たちが、また別の方向性を見いだそうとしていた。
次回
第二世代口頭に向いてるやつ 「落差」