正直なところ、僕は駅弁に対してかなり否定的だ。
冷えてるじゃないか。
できて時間が経っているじゃないか。
高いじゃないか。
特に幕の内のやろうこのやろう。
何をかしこまって個室に鎮座してんねん。
豪華そうにしてんねん。
ということで、とにかく駅弁というものは口にしていなかった。
その点、ブルートレインには食堂車両があって、それはそれは楽しかった。
高いことは高いのだが、とにかく優雅だった。
風景が動く。
すごい速さで動いている中を、僕らはテーブルについて暖かい物を食っているのだ。
子供ながらにその特別さは、未だに印象の薄れることがない。誰か同じことを言っていたような気もする。
速い中を食うことは同じなれど、駅弁は優雅じゃない。
それは作業だ。
と、悪態をついたところからもわかるように、新幹線で食べた駅弁がすごくおいしかったんである。
博多→熊本だったから、確か博多駅で買ったのだろう。
「焼き肉弁当」的なやつだったと思う。
これがうまかった。
これなら幕の内のやろうに挑戦してみてもいいかと思わせる。
自分のみならず、仲間の評価もあげかねないうまさ。
焼き肉弁当。
でも、パッケージすら思い出せぬので、さて帰りはどうしましょう。