うにをちゃんと食べた事がない。
いわゆる食わず嫌いなのだが、正直食欲をそそられる要素がひとつもない。
黒いし固いし、とげなのである。
しかも彼らは、すごくゆっくりと動いている。
すごくゆっくりと動いているものは、何かすごくこちらの次元とは違うことを考えていそうで、気味が悪い。
しかし多くの人はそれをおいしがる。
まあそうなのだろう。
さて、先ほど触れたが、うにはとげのある事が知られている。
うに好きの人はそれがあたかも「おいしさ」を守るためのものと思われているかもしれないが、実はあれ、うに自身の「いのち」を守っているものである。
おいしいものとは全ていのち由来なのである。
おいしい、言い換えれば栄養があり、毒がないとなるか。
自分のいのちがおいしくなければ、天敵なんていなくなるのに。
そう思っている自然界在籍の生物は思っているだろう。
しかし自分自身はおいしいものを欲しており、事実取得しているわけだから、結果的に自分もおいしくなってしまう。
ふぐは例外かもしれないが、多くの生物はこの関係に属している。
食物連鎖はおいしさの伝播もかねていて、そのつながりを断ち切るには「おいしくないものを取得し、おいしくないものを産出する」ことが必要なのである。
今、どきりとした。