エスカレータの、足元の階段可動部と手すり可動部が同じ速度で運用されているという勘違いは、時として重大な事故を引き起こす。
現代社会においてエスカレータは、それほど珍しいものではないため、実験を行うことができる。
やってみたまえ。
乗った後、両手をベルトにかけておいてみたまえ。
下の階に到達する頃には、ベルト側の速度の方が速いことを実感できるはずだ。
あなたはそのとき、スキーのジャンプ競技、ちょうど最高地点での選手の姿勢のような状態となっているだろう。
乗った後、両手をベルトにかけておき、そこで体重を支え、両足を浮かせてみたまえ。
下の階に到達する頃には、ベルト側の速度の方が速いことを実感できるはずだ。
人よりちょっと早く、到達しているだろう。