差はいつだって、5分。その1

スタッフ「すいません!!。本日のゲストの松崎しげるさんなんですが・・・」
現場監督「あぁ、モノマネ王座の、本物ゲストさんの?」
スタッフ「手違いで、島崎俊郎さんを呼んでしまいました!!」
現場監督「え・・・、どうすんの?。本番5分前だぞ!?」
スタッフ「すいません!!」
現場監督「そんなことが5分前に発覚だなんて、ほぼミラクルだよ・・・」
スタッフ「どうしましょう?」
現場監督「しかたない。楽屋にいこう」



現場監督「すいません、ちょっと失礼します」
モノマネ芸人「はい?。あぁ、監督さん。今日はお願いします」
現場監督「こんなタイミングで申し訳ないのですが、松崎しげるさんのことでちょっと・・・」
モノマネ芸人「あぁ、ご本人が来られるんですよね。愛のメモリーも歌ってくださるとか」
現場監督「・・・急ですが・・・、今回はアダモちゃんのモノマネでお願いできませんか?」
モノマネ芸人「・・・!?」
現場監督「都合により、本日の本物ゲストが島崎俊郎さんになってしまったのです」
モノマネ芸人「え・・・、ちょ、ちょっと待ってください」
モノマネ芸人「僕が愛のメモリーをモノマネするからこそ、本物ゲスト松崎しげるさんを呼んでいただけるはずだったんですよね?」
現場監督「・・・・・・その通りなんですが・・・」
モノマネ芸人「それが、本物ゲストが島崎俊郎さんになったから、アダモちゃんをモノマネしろって・・・」
モノマネ芸人「オーダーメイドのスーツを頼んだらサイズが小さかった。それについてテーラーに言及したら「あなたが小さくなってください」だって・・・」
モノマネ芸人「そんな、アメリカンジョークみたいな・・・」
現場監督「すいません・・・」
モノマネ芸人「モノマネっていうのは、ホンモノさんと、それに似ているニセモノさんだけで、成り立っているんですよ。そこにベツモノさんも来ちゃったら・・・。」
現場監督「すいません・・・、だからこそ、お願いします・・・」
モノマネ芸人「・・・仕方がないですね。さいわいにも、僕のレパートリーにアダモちゃんが入っていて、本当によかった」
現場監督「助かります」
モノマネ芸人「それに、準備にさほど時間がかからない。今回だけですよ・・・。でもまぁ、5分前でも、わかってよかったですよ。」



モノマネ芸人「それにしても、しげるがアダモちゃんって・・・。愛のメモリーの「あ」が、アダモちゃんの「あ」と同じくらいですよ。かろうじてですよ・・・。」

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