淡紅葉

11月末、気になることが2つあったので、神社に行く。
記録的な台風で、神社近くの水路が埋まってしまったことが気がかりのひとつめ。
その経過を確認しに行ったのだ。
神社の入り口からかなり離れた場所に自転車を止め、水路の方へ歩いていく。
台風からずいぶんたつのに、まだ辺りは乾いた泥で白く覆われていた。
でも、歩いていくにつれ、水路にたどり着くことなく、その音で水が流れていることに気付く。
埋め立てていた土砂は取り除かれていたのだ。
気がかりのひとつは解決した。
ところが、実際その水路を見てみると、ちょっと前と違う点があった。
水がにごっているのだ。
そこは水深1mくらいなのだけど、前はとても透明で、川底を泳ぐ小魚が見えていた。
それが今、水路の川底が見えないのだった。
その水はにごっている。
ただ、うすく青白い、少し神秘的なにごり。
木陰の部分と日に照らされた部分の対比がきれいだ。
なんとなく水面を眺めていると、1枚のもみじの葉が水にもまれることもなく、すーっと流れてきた。
紅く色づいている。
そんなもみじの葉が、絶えず流されてきた。
水路上流に位置する神社にあるもみじの葉なのである。
その木はもう、紅く染まっているようだ。
僕はまたしても、目的地ににたどり着くことなく、もう一つあった気がかりを解決した。
それにしても、淡くにごる水の中にただよう紅葉はやたら、印象に残る。
2つの気がかりは解決したが、別のがまた一つ、増えてしまったようだ。

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