先輩が、僕に断りもなく結婚した。
先輩も、僕に相談もなく結婚した。
ダブルである。
一粒で二度おいしいのである。
そんな先輩達がおくる「結婚しました。みんなありがとう。空と大地よ、輝け!!。パーティー」みたいのに参加した。
かなり大勢の賑わい。
そこでは主に飲んだり食べたり、あと飲食したりしたが、そうこう食しているうちになにやらイベントが始まった。
2人にちなんだ3択クイズだ。
くじ引きで指名された参加者が解答権を得るシステムのよう。
そんなシステムの中、さっそくピエールさんがいいこと言った。
ここで言う「いいこと」とは、もちろんボケだ。
ピエールさんは解答権を、実に有効に使用した。
そして僕は、ピエールさんのボケの瞬間、会場の空気が笑いとはまた別の雰囲気を一瞬にして持ったのを、感じる。
「くじ引きに当たったら、ボケなくちゃ」空気だ。
たくさんの参加者がいるので、解答権が得られる確率は低い。
そこが、この空気の中ではなんとも気味悪いのだ。
くじには当たらないだろうけど、ボケを用意しないわけにもいかない。
僕は最近、こういうアンテナが鈍っているので、だめだ。
それでもどうにか、そのときのクイズ「二人の初デート場所は?」に対応する僕の最善策「熱川バナナワニ園」をひねり出すことができた。
これでいこう、と思った。
クイズは進み、終わりを迎える。
最善策が披露されることはなかった。
正答とボケを用意させ、しかも披露されず。
末恐ろしいシステムであるが、あの会場に数多の正答とボケが混在していたことを想像すると、宇宙のはじまり的なものすら感じる。
そして、このイベントの余波か。
心にいつも、熱川バナナワニ園。
僕のバナナワニが、外に出たがっているのを今、感じている。
追記
本日まで予約投稿。