2回目とはじめてのカンツォーネその2

昨日からの続きです。
【あらすじ】
クライミングをしている知り合いの邪魔をしよう。
競技中は壁に張り付いて、重力に逆らっている。
誰だってギリギリ状態だ。
だから、余計な事を考えさせたりするだけで、脱力させ、落とすことが期待できてしまうのだ。
<邪魔ワード集>
・「富士山」
ボルダは、つかみやすさの差はあれど、だいたい手ごろなサイズであるが、ときどき、明らかにおかしな形状をしたものもある。
そのひとつが、明らかに他のボルダよりも巨大なものであり、邪魔プロ(会員数約2名)の間では「富士山」と呼ばれるボルダである。
もちろん「富士山」もボルダのひとつなので、それを利用するシーンや、それ自身に小さなボルダがついていたりするが、とにかく利用するシーンよりもその印象の強さが光る人工物だ。
たとえば、あるレベルを挑戦していたとする。
そのルート上には、身近な「富士山」はない。
挑戦者は的確にルートを踏破していくが、ある場所で行き詰る。
張り付いているだけで精一杯だ。
そこで、それを感じ取った邪魔プロは、開口一番「よし、次は富士山ね」。
「富士山」ボルダは、はるか彼方。
残念なことに、人間は考える葦らしいので、
どうしても「届かないやん」と、少しでも考えてしまうのである。
また、一瞬でも「富士山の頂に手をかける私」を想像してしまう。
「俺は天邪鬼か!?」。
結果、落つ。
・「いい仕事」
ルートのレベルが上がるにつれ、ボルダひとつのつかみ方で踏破成功が左右される局面が増える。
挑戦者はそのような場面になると、該当するボルダを、それはもういろんな風、いろんな角度で触り、確認する。
そのときである。
邪魔プロは、そんな彼を見逃さない。
「どう?、そのボルダ、いい仕事してる?。」
・「陶芸家」
「いい仕事」の類似パターン。
ボルダのつかみ方で迷っている相手に対し、
「○○くん。陶芸家になっているよ!!。」
と心無き言葉を投げかける攻撃法である。
※高名な陶芸家を実際に挙げてもよい。
・「迷い箸」
これも上記と同様のシーンだが、こちらは主に、どのボルダに足を置けばよいのか迷うところで使用する。
「足が迷い箸になってるよ!!。」と尋ねれば、まぁ落ちるよね。
と、我流をほうっておくと、こんな感じになる。
こんなんなので、クライミングのレベルは、一向に上がらない。
さらに僕の場合、このような所業に加えて、そもそもクライミングに行く時間が少なく、時間的な間隔まで空いてしまうのだ。
僕のクライミング経験はいつも、「2回目」の次は「はじめて」になってしまうのである。

「2回目とはじめてのカンツォーネその2」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    どれも姑息だが、
    「どう?、そのボルダ、いい仕事してる?。」
    とか言われたらダメだ。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    実際、ダメなんだこれ。
    でも、本当に集中してたら大丈夫かもしれないので、少なくとも僕は集中してないね。

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