私、森脇君に「ダリ展に行かない?」って言われたとき、正直うれしかった。
森脇君って、不思議なところがあって気になってたんだけど、ほとんど話したことがない私にダリデートを申し込むなんて、不思議さが増しちゃった。
待ち合わせは国立科学博物館。
なぜ美術館前じゃないのか分からないけど、そこもまた不思議。
そういえば、国立科学博物館のHPには、お客様へのお願いとして「ペット(昆虫類含む)を連れての入館はご遠慮下さい」って書いたあったわ。
昔、トンボに糸つけてきたヤツがいるみたい。
たぶん、そんな出来事を踏まえたうえでの待ち合わせ国立科学博物館。
期待通りの不思議っぷりだわ。
当日、彼は一時間前に来ていたのに、私には「今ついたところ」って言った。
なぜ、私がいなかった50分を隠す必要があるの?。
ミステリアスボーイだわ・・・。
看板を頼りにたどり着いた美術館は、休日とあって大混雑。
館内も、人ばかり。
ダリも遠いわ。
でも、私は森脇君を見てるだけで満足だった。
彼、絵の前にたどり着いたはいいけど、あんまり人の流れがあるので、その場でくるくる回ってたわ。
人を流れさせるシステムみたいになってた。
不思議な人・・・。
でも、そんな幸福を見る時間は、長く続かなかった。
システムが流されてしまって。
わたしも人に押されて、彼を見失った。
館内の暗さも手伝って、見つけられなかったの・・・。
「どうしてここで「続く」なの?、不思議だわ・・・。」
年末なので、明日に続く。