なんだ、もうあったのか。

世界中をツーリングしてきた俺にも、年齢という、どうにも追い越せない奴がやってきたようだ。
足に力が入らない。
スピードに恐怖を感じる。
座っているだけなのに、息があがる。
そんな俺を出迎えてくれたのは、どこか日本の田舎を思い出させる農村だった。
どこの馬の骨とも知れない俺を、その村はあたたかく迎えてくれた。
そしてそんなに経たないころ、ある娘と恋仲に落ち、自然のままに家族ができた。
俺は世界中をバイクでまわってきた。
そのことが、どれだけ魅力的で、そして俺をどれだけ強くしたか。
忘れることなんてできない。
少ししたら、また俺は旅を続けるだろう。
でもそのときまでは、この村で家族とともに過ごすってのも、悪いもんじゃないよな。
???世界ブルルン滞在記???