先週のイモータル

前提:
人は、不死身の間は、絶えずハヤシライスの香りを感じている。
=====
医者「これは人に言った事ないんですけど。私は職業柄、人が亡くなる瞬間に立ち会うことがあるのですが、その時、多くの人はこう口にして息を引き取るのです」
医者「ハッシュドビーフだ!!、と。」

軌跡

前提:
マウスを前後逆に持って動かすと、ポインタがモニタを越える。
=====
窓から見える歩道を歩くおじいさんをクリックしてみると、あたりをきょろきょろした。
ダブルクリックしてみると、向かい側から知り合いのおじいさんが来た。
ドラッグしてみると、窓枠にぶつかったおじいさんが頭を掻いた。

ビバ罵詈雑言

前提:
ドッペルゲンガーというものが実在する。
=====
Mっ気のある信幸の前に、自分のドッペルゲンガーがあらわれた。
彼らがどうなったかはわからないが、目撃した人の話によると、一人は大声を張り上げていたが、時間が経つにつれて二人ともだんだんと恍惚の表情になっていった。
しかも近くの自動販売機の裏にはまた別の信幸がいて、その様子に体をよじらせていたという。

天涯孤独の価値

前提:
事実しか、書けないようになった。
=====
ある種の推理小説家たちは、こぞって天涯孤独の人に金を払って、すり替え殺人をするように説得した。
ある種の推理小説家たちは、そのやり取りをすっぱ抜いた。
ある種の推理小説家たちは、そのすり替え殺人の被害者となった。