三大珍味

俺たちが目指したいのは「世界三大珍味の統合」。
一種の生物で世界三大珍味すべてをまかなう、である。
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世界三大珍味
・フォアグラ:肥大しているガチョウの肝臓。おいしいが製造過程が残酷なので、いろいろむずい。
・キャビア:チョウザメの卵。数粒を意識を集中して食べたことがあるが、しょっぱい。
・トリュフ:まずそうなキノコ。消しゴムのカス程度のものを集中して食べたことあるが、覚えてない。
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まずい。
とりあえずメモ帳に書いてあったから話を進めてみたが、動植物のレベルから違うやつがいる。
ともかく、フォアグラとキャビアはどうにかならないだろうか。
つまるところ、肥大した肝臓を持ったガチョウが、チョウザメの卵を産めばいいんである。
そのガチョウは世界三大珍味の2つを生産できる家畜となり、いわば「世界の珍味2/3」。
これは統合されている。
いや、確かに難しい。
鳥と魚をうまいこと、クローン技術とかバイオテクノロジーを駆使して混ぜ込まねばならない。
冒頭の「俺たち」は、オレンジとカラタチを細胞融合させて誕生した「オレタチ」をひっかけているわけだが、ただそれらの細胞同士をくっつけて混ぜ込むくらいでも、「世界の珍味2/3」は誕生しないだろう。
「ガチョウの細胞とチョウザメの細胞が混じった、何か」
内容物も差異が激しそうで、とにかくこれ以上の何物でもないだろう。
なんかかわいそうだ。
もし、これでキメラもびっくりの「ガチョウザメ」が誕生するようなら、インド神話においていろんなものを生み出した「乳海攪拌」というのが、結構まじで起きたかもと考えなければならない。
しかし我々は、とりあえずこの難題をも霞む「トリュフ」の統一が待っている。
トリュフはガチョウとしては、あるいはチョウザメとしては、いったい何なのだろうか。
あるいはトリュフにとって、ガチョウやチョウザメは何なのだろうか。
もはや哲学的な感じすらするが、今回はそうではなくむしろ欲丸出し、「世界三大珍味の統一」である。
かろうじて考えうるのは「チョウザメの卵を産む肝臓の肥大したガチョウが、トリュフを常に持ち歩いている」になるだろうか。
確かポケモンに「カモネギ」というやつがいたが、みなまで言うまい。
そして、統一という観点では少し残念だ。
あるいはこれはどうか。
「肥大した肝臓を持つチョウザメの脳の部分に、トリュフが寄生している」
ご存知の通り、マタンゴの発想である。
実は当方、マタンゴについてはかなり疎いが、なんとなく「脳に寄生」というのがトリュフの形状から、合っているのではないかと思う。
どちらにせよこれらのことができようものなら、もう何でもできそうである。
ただ、こないだ高コストながらも試験管で培養して作られた人工肉が報じられた。
上記のような「食われるだけの末端」にいるような生物を作るよりは、人工肉の改善を進めるほうがいい気もしないでもないが、これらの話は嗜好や食糧問題にとどまらず、思想や宗教にも関連しうる。
簡単な話ではないだろうなので、最後になぞなぞを出しておく。
「右手がフォアグラ、左手がトリュフ。頭がキャビアで左足が鮭とば、右足がウニで体がカニみそ。これなーんだ?」
僕が好きなのは右手と左足である。

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